- ほかの人の控除がなくなる
- 介護サービス費用が高くなる
- 介護保険料が上がる
- 生計を一にする証明が必要
これらのデメリットを把握した上で、老人扶養控除を検討しましょう。
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老人扶養控除のデメリットとは?
ほかの人の控除がなくなる
例えば母親を扶養に入れることで老人扶養控除を受けることを考えます。
しかし、母親は父親の扶養(配偶者控除)であった場合、父親の配偶者控除は受けられなくなります。
この場合、父親の税額が高くなり、老人扶養控除を受けた人の税金が安くなります。
どちらの方が税額が安くなるのかを考え、家族間で話し合う必要があります。
介護サービス費用が高くなる
介護サービスを使っている方を扶養した場合、介護費用の自己負担額が高くなる可能性があります。
扶養される側が収入が低く、住民税が非課税の状態での介護サービス費の上限額が少ないですが、扶養されると同一世帯として計算するため、上限額が高くなってしまいます。
老人扶養控除として税金が安くなるよりも、負担額が増えては本末転倒です。
介護保険料が上がる
介護保険料は世帯の誰かの住民税が課税されていると高くなります。
これまで一人世帯で非課税だった方が、課税されている世帯に入ることによって介護保険料が上がってしまいます。
介護保険料は、各市区町村により金額が決まっているので影響額を調べてから、老人扶養控除を検討しましょう。
生計を一にする証明が必要
別居の親等を扶養する場合は、生計を一にしている証明を残す必要があります。
老人扶養控除は生計が同一である必要があるため、例えば、定期的に送金をしている履歴などを残しておく必要があります。
現金を手渡ししているようであれば、証拠としては弱く、老人扶養控除が認められない場合があります。
送金履歴を残すといった手間がかかることになります。
扶養にできるの所得の金額について
扶養される側の所得が48万円以下である必要があります。
所得48万円は収入に換算すると次のとおりです。
- 給与収入:103万円
- 年金収入:158万円
※遺族年金、障害年金は非課税所得のため、上記の収入には含まれません。
この収入(所得)を超えて扶養に入れてしまうと脱税になってしまいますので、注意しましょう。
老人扶養控除の要件について
老人扶養控除を受けるには以下の要件を満たさなければなりません。
- 年齢が70歳以上
- 配偶者以外の親族
- 生計を一にしている
- 年間の合計所得が48万円以下
- 事業専従者として給与の支払いを受けていない
年齢が70歳以上
年齢は12月31日時点の年齢で判断します。
令和6年分の確定申告であれば、令和6年12月31日時点で70歳以上であれば大丈夫です。
配偶者以外の親族
配偶者であれば、配偶者控除を受けることになるので老人扶養控除を受けることはできません。
なお、配偶者でも70歳以上になると老人配偶者として控除額が上がります。
生計を一にしている
老人扶養控除に限らず扶養控除を受けるためには、生計を一にしている必要があります。
特に別居の場合は、生活費を送金している証拠などを残しておきましょう。
年間の合計所得が48万円以下
扶養される側の所得が48万円以下でなくてはなりません。
48万円を超えている場合は、扶養に入れることができません。
なお、収入ではなく所得であることに注意しましょう。
事業専従者として給与の支払いを受けていない
自営業を営んでいる方から専従者給与を受けている方は、扶養に入れることはできません。
専従者給与を支払っている方が、その給与分の所得が下がるといったメリットがあるため、扶養にすることはできません。
まとめ:老人扶養控除のデメリットとは?
老人扶養控除のデメリットは以下のとおりです。
- ほかの人の控除がなくなる
- 介護サービス費用が高くなる
- 介護保険料が上がる
- 生計を一にする証明が必要
これらのデメリットを考慮しても、老人扶養控除を受けた方がいいと判断ができれば、申告を行いましょう。
申告は、年末調整や確定申告で行うことになります。
確定申告書では、扶養する方の情報と扶養した場合の控除金額を入れることで控除を受けることができます。
また、老人扶養控除を受けられる要件を満たしていかも確認した上で、老人扶養控除の申告を行うようにしましょう。
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