退職所得に定額減税は適用される!?定額減税を受ける方法?

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退職所得に定額減税は適用されますが、源泉徴収の際に定額減税が適用されるわけではありません。

では、どうやって退職所得に定額減税を適用させればいいのかを詳しく解説します。

この記事は数千件以上の確定申告書(住民税申告書を含む)の作成経験と住民税の課税経験のある「とらまね」が解説します。
 この記事を読んでわかること
・退職所得に定額減税が適用されない場合
・退職所得に定額減税が適用される場合
・確定申告で定額減税が適用される流れ
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退職所得に定額減税が適用されない場合

退職所得

退職金は、所得税と住民税が源泉徴収(天引き)された状態で受け取ることとなります。

会社は、退職金を支給する際に所得税と住民税を計算し、源泉徴収(天引き)した上で支給します。

しかし、この源泉徴収(天引き)の際には定額減税は適用されないこととされています

これは、国税庁が発出している「令和6年分所得税の定額減税Q&A(0024001-021.pdf (nta.go.jp))」に記載されています。

所得税の定額減税が源泉徴収の際に適用されるのは、給与や賞与(ボーナス)、年金の場合となります。

一方、住民税の定額減税は前年度の所得に基づいて減税されるものです。

よって、令和5年中の所得に対して令和6年度分として計算した住民税で定額減税を行うため、源泉徴収される時点の退職所得には適用されないこととなります。

退職所得に定額減税が適用される場合

退職所得に定額減税を適用させるには、自分で確定申告を行う必要があります。

しかし、退職所得以外の所得で定額減税を全額受けている場合は、退職所得に適用される定額減税は残っていないため、確定申告をしたとしても還付金は発生しません。

確定申告で退職所得に対する定額減税が適用される場合

確定申告で退職所得に対する定額減税が適用される場合について、2パターンに分けて解説します。

退職所得のみの場合

確定申告で退職所得に対する定額減税が適用される場合は、退職所得以外の所得で定額減税を使い切っていない場合になります。

一番わかりやすい例では、退職所得しかない状態の方が確定申告をする場合です。

退職所得しかない場合、会社で税金の計算は既に終わっているため、確定申告をしても還付もなければ納付をすることはありません。

しかし、定額減税がある場合、定額減税分を適用させることで、定額減税分がそのまま還付金となります。

給与所得と退職所得がある場合

確定申告をする際は、退職所得以外の所得があれば、それらを含めて申告を行います。
例えば、給与や年金、営業の所得などです。

給与は源泉徴収される際に定額減税が適用されますが、所得税の金額より定額減税の金額の方が高くなる場合があります。

この場合、定額減税分が余っているので、給与と退職所得を確定申告により再計算することで、余った定額減税分が還付されることになります。

給与や年金などは総合課税といって、その年の所得や控除に応じて所得税の税率が決まります。
所得が高く、控除が少なければ税率が高くなります。

退職所得は分離課税といって、給与などとは分けて計算するものになります。
基本的には、会社で計算し源泉徴収しているため、確定申告の際には既に税金を納めている状態になります。

このような状態であるため、退職所得を確定申告で申告しても基本的には、退職所得に係る税金が増えたり減ったりすることはありません(既に払っているため)。

ただし、所得控除が余っている場合は、その所得控除を使用して退職金に係る税金を減らすことができます。

例えば、給与所得50万円で所得控除が70万円であった場合、20万円分の所得控除が余ることになります。

この余った20万円を退職所得から控除することができるため、退職所得に係る税金を減らすことができます。

確定申告で退職所得に対する定額減税が適用されない場合

確定申告で退職所得に対する定額減税が適用されない場合は、退職所得以外で定額減税をすべて受けている場合になります。

当然のことですが、給与や年金で定額減税の減税分をすべて受けている場合には、確定申告で申告したとしても、退職所得に対する定額減税を受けることはできません。

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確定申告で定額減税が適用される流れ

定額減税

確定申告でどのように定額減税が適用されるのかを解説します。

まずは、確定申告での計算の流れを押さえましょう。

【総合課税のみ】
①収入から所得を算出
②所得から所得控除を引き課税所得金額を求める
③課税所得金額に税率を乗じて税額を求める
④税額から税額控除を引き基準所得税額を求める
⑤基準所得税額から源泉徴収税額を引き納付額又は還付額を求める
※復興特別所得税の計算は除いています。
※総合課税は給与や年金、分離課税は退職所得と考えてください。
【総合課税+分離課税】
①収入から所得を算出
②所得から所得控除を引き課税所得金額を求める
③課税所得金額に税率を乗じて税額を求める
④分離課税の税額を③の税額と合算する
⑤税額から税額控除を引き基準所得税額を求める
⑥基準所得税額から源泉徴収税額を引き納付額又は還付額を求める
※復興特別所得税の計算は除いています。
定額減税は税額控除であるため、税額から税額控除を引くときに適用されます。
定額減税分を引いた後に既に支払い済みの所得税である源泉徴収税額を引いて、最終的に所得税の納付額又は還付額が算出されます。
つまり、すべての所得の税額を合算し、すべての所得から天引きされた所得税(源泉徴収税額)を合算し、所得税が納付なのか還付なのかがわかることになります。
給与所得は年末調整により計算が終わっていて、退職所得も基本的には税金の計算は終わっています。
計算の終わったもの同士で確定申告をしても、納付や還付は発生しません。
※総合課税と分離課税の場合
しかし、通常では納付や還付が発生しませんが、定額減税が給与の源泉徴収ですべて使っていない場合、この使っていない部分が確定申告をした際に、新たに控除として計算されるため、還付が発生することになります。

まとめ

退職所得をもらうときは、税金が引かれた状態でもらいますが、その際に定額減税は適用されません。

しかし、確定申告の際に退職所得を含めて申告をすることで、退職所得にも定額減税が適用される可能性があります。

退職所得を確定申告しないと定額減税が適用されず、損する可能性がありますので、まずは、ご自身が定額減税を全額受けているのかを確認する必要があります。

損するかどうかよくわからない方は、一度、確定申告書を作成し、還付金が出るかを考えると良いでしょう。

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