「住宅ローン控除の申請を1年目は確定申告で行い、2年目は年末調整でできると聞いたけど具体的にどうすればいいの?」
「住宅借入金等特別控除申告書の書き方がわからない」
住宅ローン控除は2年目だけど、1年目とは提出方法が違うため提出方法がわからない方が多いと思います。
この記事では、住宅ローン控除を年末調整で行う際の申請方法について詳しく解説しますので、住宅ローン控除の2年目以降の提出方法について参考にしていただければと思います。
なお、3年目以降でも「提出方法を忘れたよ」という方にも参考になる記事となっています。
提出方法について
年末調整の各種種類を提出する際に、住宅ローン控除を受けるために必要な書類を添付して提出します。
必要書類
住宅ローン控除を受けるために必要な書類は次の2点です。
・給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼(特定増改築等)住宅借入金等特別控除計算明細書
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
住宅借入金等特別控除申告書は、税務署から10月頃に控除の対象期間に応じた申告書がまとめて送られて」きます。
※1年目は確定申告で控除されています。
年末残高証明書は、借り入れを行った金融機関により送付時期が変わりますが、10月頃に送るところが多いです。
年末調整の提出期限に間に合わない場合は、金融機関に問い合わせましょう。
住宅借入金等特別控除申告書の書き方
住宅借入金等特別控除申告書は、お勤め先で記載してくれるところもありますが、ご自身で記載の上、提出を求められることもあります。
お勤め先で、記載してくれる場合でもご自身で記載することをお勧めします。
お勤め先の担当者が、記載を誤ることを何度も見たことがあるからです。
ご自身で記載して、お勤め先の担当者に確認してもらえば二重チェックになり、誤る可能性が少なくなりますので、できるだけご自身で記載することを推奨します。
具体的な記載方法を解説していきます。
氏名等の記載(赤枠)
次の事項をそれぞれ記載します。
・給与支払者の名称
お勤め先の名称を記載します。
・給与支払者の法人番号
お勤め先が法人番号を記載します。
ご自身で記載の必要はありません。
・給与支払者の所在地
お勤め先の住所を記載します。
・あなたの氏名
ご自身の氏名を記載し、世帯主の氏名とあなたとの続柄を記載します。
・あなたの住所又は居所
住民票の住所、または、現在住んでいる居所を記載します。
新築又は購入に係る借入金等の計算(緑枠)
緑枠内の①~⑧を順番に解説します。
※住宅と土地の両方で借入れをしている場合での解説です。
① 新築、購入及び増改築等に係る住宅借入金等の年末残高
金融機関から送付される「年末残高証明書」から転記します。
年末残高証明書の「住宅借入金等の金額」の「年末残高(予定額)○○○○円」の金額を転記します。
※年末残高証明書の当初金額ではないので注意しましょう。
② 住宅借入金等の年末残高
単独債務(借り入れた対象者が一人)の場合は、①の金額をそのまま記載します。
連帯債務(夫婦で半分ずつ借り入れた場合等)場合は、( %)内に連帯債務の割合を記載し、①の金額×連帯債務の割合の金額を記載します。
【記載例】
①の金額:39,500,000円
連帯債務の割合:50%
39,500,000円×50%=19,750,000円
③ ②と証明事項の取得対価の額のいずれか少ない方の金額
②で記載した金額と取得対価のいずれか少ない方の金額を記載します。
取得対価は、税務署から送付された「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」の「㋺取得対価の額+㋭取得対価の額」で確認できます。
※住宅借入金等特別控除申告書の下に記載されています。
【記載例】
②の金額:1,975,000円
㋺+㋭の金額:11,000,000円+12,500,000円=23,500,000円
1,975,000円<23,500,000円
☞1,975,000円(少ない方の金額を記載)
④ ③×居住割合
( %)内に居住割合を記載します。
居住割合は、「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」の「㋩及び㋬の居住割合」を参考に転記します。
③の金額に居住割合を乗じた金額を記載します。
【記載例】
③の金額:19,750,000円
居住割合:100%
19,750,000円×100%=19,750,000円
⑤ 住宅借入金等の年末残高
基本的には、④の金額を転記します。
⑤の(最高○○万円)と記載のある金額が限度額となりますので、④の金額がこの金額を超える場合には、最高○○万円と同額の金額を記載します。
【記載例①】
④の金額:19,750,000円
最高○○万円の金額:4,000万円
19,750,000円を記載します。
【記載例②】
④の金額:50,000,000円
最高○○万円の金額:4,000万円
40,000,000円を記載します。
⑥ 特定増改築等の費用の額
特定増改築等の住宅借入金等特別控除を受ける方が記載します。
⑦ 特定増改築等の費用の額に係る住宅借入金等の年末残高等
特定増改築等の住宅借入金等特別控除を受ける方が記載します。
⑧ 住宅借入金等特別控除額
⑤の金額に申告書の項目欄に記載してある控除額( %)を乗じて、控除額を算出します。
※100円未満は切り捨てになりますので、注意しましょう。
また、(最高○○円)が上限となりますので、上限を超える場合は最高○○円の金額を記載します。
【記載例①】
⑤の金額:19,750,000円
最高○○万円の金額:4,000万円
控除率:1%
19,750,000円×1%=197,500円を記載します。
【記載例②】
⑤の金額:50,000,000円
最高○○万円の金額:4,000万円
控除率:1%
40,000,000円×1%=400,000円を記載します。
年間所得の見積額(黄色枠)
年間の所得金額を記載します。
収入金額ではなく、所得金額を記載する箇所ですので注意しましょう。
なお、所得金額が3,000万円を超える場合は住宅ローン控除は受けられません。
収入と所得の違いを知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
その他の注意事項
何年分の申告を行うのかを間違いないように確認しましょう。
たまに間違って提出している方がいますので、注意が必要です。
住宅借入金等特別控除申告書の左上に「○○年分」との表記がありますので、必ず確認するようにしましょう。
令和4年分の年末調整であれば、令和4年分の申告書を提出することとなります。
併せて、年末残高証明書も何年の分かをよく確認して提出しましょう。
年末調整で提出を忘れた場合の対処方法
「年末調整で「住宅借入金等特別控除申告書」の提出を忘れた!?」
「提出しようと思ったけど書類が揃わなくて提出できなかった」
こんな時は、確定申告を行い住宅ローン控除を申請することができます。
1年目の時と同様に確定申告で住宅ローン控除を申請すれば控除を受けることができます。
必要書類は年末調整の時と同じものが必要となるほか、確定申告に必要な書類も必要になります。
【確定申告時に最低限必要な書類】
・給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼(特定増改築等)住宅借入金等特別控除計算明細書
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
・個人番号がわかる書類(マイナンバーカードなど)
・源泉徴収票
・口座番号のわかるもの
まとめ
年末調整で住宅ローン控除を申請する方法について解説しました。
何年間も申請をするものなので、内容を理解して、申請方法を覚えておくと良いと思います。
一度覚えてしまえば、難しものではありませんが、
年に一度の申請なので忘れてしまう場合は、毎年確認しながら申請を行いましょう。
コメント