「年末調整の給与所得の収入金額に交通費は含まれるの?」
「交通費って課税されるの?」
「源泉徴収票の支払金額に交通費が含まれていないって本当?」
このようなお悩み・疑問がある方はこの記事ですべて解決できます。
結論としては、交通費は一般的な金額であれば非課税となり、年末調整や源泉徴収票の中には含まれません。
年末調整の収入金額に交通費は含まれるのか
年末調整の書類の中で、その年の給与の収入金額を記載する箇所があります。
ここは、基本給や各種手当(扶養手当や残業手当、住居手当など)、賞与(ボーナス)などが含まれます。
これらの1月~12月までの1年間の金額を記載しますが、ここには交通費(通勤手当)は含む必要はありません。
なぜなら、交通費(通勤手当)は非課税所得となっているからです。
年末調整で必要な収入金額は、所得税を計算するためのものですので、非課税の所得を入れる必要はありません。
源泉徴収票の支払金額に交通費は含まれるのか
源泉徴収票の支払金額には、交通費(通勤手当)は含まれません。
源泉徴収票の支払金額は、所得税や住民税を課税するための収入となっています。
そのため、ここの欄には非課税の所得である交通費(通勤手当)は含まれないことになります。
交通費が非課税になる範囲
まず、交通費(通勤手当)が非課税となる根拠を確認します。
~所得税法第9条第1項第5号より~
「給与所得を有する者で通勤するもの(以下この号において「通勤者」という。)がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとして通常の給与に加算して受ける通勤手当(これに類するものを含む。)のうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分として政令で定めるもの」
所得税法第9条は「非課税所得」を記載している条文であるため、上記の条文により交通費が非課税となっております。
このような根拠があるものの、すべてが非課税となるわけではありません。
例えば、「片道3kmの距離で1ヶ月20万円交通費を支給します」と聞いたらどうでしょうか。明らかに高すぎます。
給与の代わりに交通費を課題に出せば、非課税になるから…と悪い考えをする人が出てくるので非課税になる金額の限度額が設けられています。
非課税の限度額は下表のとおりです。
区分 | 非課税限度額(円) | |
交通機関等を利用して支給する通勤手当 | 150,000 | |
交通機関を利用している人に支給する定期乗車券 | 150,000 | |
自動車などを使用して支給される通勤手当 | 通勤距離(片道) | |
2km未満 | 0 | |
2km~10km未満 | 4,200 | |
10km~15km未満 | 7,100 | |
15km~25km未満 | 12,900 | |
25km~35km未満 | 18,700 | |
35km~45km未満 | 24,400 | |
45km~55km未満 | 28,000 | |
55km以上 | 31,600 |
バスや電車で通勤する方は15万円まで非課税です。
自動車などのマイカー通勤の場合は距離数に応じて非課税限度額が設定されています。
※2km未満で交通費(通勤手当)が出ている場合はすべて課税される所得になります。
なお、非課税限度額を超えて交通費(通勤手当)を支給した場合は、その超過分が課税される所得になります。
「給与収入に交通費(通勤手当)は含まれる?健康保険の扶養は」
まとめ:年末調整の収入金額に交通費は含まれる?
年末調整の書類に収入を記載するときには、交通費(通勤手当)は含みません。
また、源泉徴収票の支払金額にも交通費(通勤手当)は含まれておりません。
もし会社から交通費を入れて記載するように言われたときや、源泉徴収票の支払金額に交通費が入っている場合は誤っている可能性がありますので、相談しましょう。
交通費(通勤手当)は非課税所得であるため、年末調整や源泉徴収票に含まれませんが、過剰な交通費の支払いを受けているときは課税対象になることに注意が必要です。
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