住民税に会社負担はある?
住民税は、個人個人に課税される税金です。
前年の所得等をもとに市区町村が課税するもので、会社にお勤めの方は給与からの天引きが一般的です。
住民税の天引きは会社が負担するものではなく、課税されている個人の給与から住民税分を天引きして、会社が市区町村に支払うものです。
つまり、住民税は会社負担はありません。
会社からの天引きには、健康保険料や厚生年金保険料もありますが、これらは会社との折半であるため、実質自分の負担は半分で済んでいます。
※毎月5万円分の健康保険料と厚生年金保険料を天引きされている方は、会社も同じく5万円を支払っています。
会社を辞め、健康保険を任意保険に切り替えた場合に、健康保険料が2倍になると聞いたことがあるかもしれません。会社が半分を負担していたことから、会社を辞めるとその分を自分で負担する必要があるため高くなってしまいます。
一方、住民税は会社の負担(折半)はありません。
ご自身が課税された住民税は、すべて自分で支払うことになります。
よって、健康保険のように会社を辞めたからといって金額が増えるようなことはありません。
発生する負担について
会社は住民税を負担することはありませんが、業務的に負担を負うことになります。
会社は従業員を雇っている場合、基本的に住民税を特別徴収しなければなりません。
※特別徴収は天引きのことです。
給与からの特別徴収を行うには、市区町村から通知のあった住民税の税額を毎月の給与から天引きをしなくてはなりません。
そして、天引きした住民税は毎月市区町村に支払う必要があります。
これらの負担(手間)を負うことになります。
さらに、修正申告をするなどして個人の税額が変更になると、その都度、給与からの天引き額が変更となるため天引き額の変更と支払額の変更を行わなければなりません。
また、従業員が複数の市区町村に住んでいる場合、住民税はそれぞれの市区町村への支払となるため、より負担が増すことになります。
まとめ:住民税の会社負担について
住民税は、健康保険などのように会社が折半して負担するものではありませんので、会社として金銭的な負担はありません。
しかし、住民税を徴収するのは会社であり、その住民税を支払うのも会社であるため、事務的・業務的負担は発生することになります。
もちろんのシステムを使って業務を行っている会社であれば、そのシステム費用も発生します。
住民税を支払う個人としては、給与から天引きされて代わりに支払いをしてもらえるので楽になりますが、会社としての負担は大きいものとなります。
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