収入と所得の違い!?5つの所得の計算方法について

基礎知識
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「収入と所得って同じじゃないの?」「違いがあるの?」って思っている方は要注意!?

収入と所得は全くの別物ですのでこの記事では5つの所得についてわかりやすく解説します。

 この記事を読んでわかること
・収入と所得の違い
・所得の計算方法
・国や地方公共団体の使用している「収入」と「所得」の意味が分かり各種制度の理解が深まる
 この記事は数千件以上の確定申告書(住民税申告書を含む)の作成経験と住民税の課税経験のある「とらまね」が解説します。

各所得ごとに収入と所得の違いを解説

営業収入・営業所得

算出(計算)方法
売上-経費=営業所得

営業収入とは、一般的には個人事業主の売り上げを指し、イメージをしやすい所得だと思います。

例えば、物を販売している個人事業主であれば、お客さんに物を売って得る売り上げが収入です。

売った物について、元々ほかの業者から仕入れていた場合、この仕入れをした金額が経費となります。

つまり、売り上げから経費を引いた利益にあたる部分が所得となります。

(例)一年間の売り上げ1,000万円、仕入代金500万円、交通費5万円、消耗品費5万円
☞1,000万円-500万円-5万円-5万円=490万円(収入1,000万円・所得490万円)

給与収入・給与所得

算出(計算)方法
給与収入-給与所得控除=給与所得

給与収入とはサラリーマンやアルバイトの方が労働の対価として得られる収入です。

給与収入は給料の総支給額であり、基本給や各種手当、賞与(ボーナス)が含まれます。

ただし、交通費は非課税所得となるのでこの給与収入には含まれません。この給与収入から給与所得控除を引いた金額が給与の所得となります。

給与収入を得ている方は、営業所得の人は様々の経費が認められていてズルいと思った方もいると思いますが、給与所得の方も給与所得控除があるため、ちゃんと経費相当額が引かれていますので安心してください。

給与所得控除の算出方法がありますが、ここでは給与収入から直接給与所得を算出する計算式を用いて所得を計算します。

給与収入額(A) 給与所得控除後の金額
(所得)
備考
1   550,999 0 左記の数値が所得
 551,000  1,618,999 (A)-550,000  
 1,619,000  1,619,999 1,069,000 左記の数値が所得
 1,620,000  1,621,999 1,070,000 左記の数値が所得
 1,622,000  1,623,999 1,072,000 左記の数値が所得
 1,624,000  1,627,999 1,074,000 左記の数値が所得
 1,628,000  1,799,999 (A’)×0.6+100,000 (A’)=(A)÷4(千円未満切り捨て)×4
 1,800,000  3,599,999 (A’)×0.7-80,000 (A’)=(A)÷4(千円未満切り捨て)×4
 3,600,000  6,599,999 (A’)×0.8-440,000 (A’)=(A)÷4(千円未満切り捨て)×4
 6,600,000  8,499,999 (A)×0.9-1,100,000 1円未満の端数は切り捨て
 8,500,000   (A)-1,950,000  

※上記表の単位は「円」です。
上記表の使い方を例題を用いて記載するので実際に計算してみましょう。

給与収入:400,000円 給与所得:400,000円-400,000円=0円
給与収入:1,400,000円 給与所得:1,400,000円-550,000円=850,000円
給与収入:1,622,222円 給与所得:1,072,000円
給与収入:1,666,666円 給与所得:1,666,666円÷4=416,666.5円→416,000円(千円未満切り捨て)×4=1,664,000円→1,664,000円×0.6+100,000円=1,098,400円
給与収入:5,555,5555円 給与所得:5,555,555円÷4=1,388,888.75円→1,388,000円(千円未満切り捨て)×4=5,552,000円→5,552,000円×0.8-440,000円=4,001,600円
給与収入:7,777,777円 給与所得:7,777,777円×0.9-1,100,000円=5,899,999.3円→5,899,999円(一円未満切り捨て)
給与収入:10,000,000円 給与所得:10,000,000円-1,950,000円=8,050,000円

給与収入の方は会社から「源泉徴収票」を貰うと思いますので、源泉徴収票をお持ち方はご自身で計算して答え合わせをしてみてください。

源泉徴収票の「支払金額」欄が給与収入で、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」欄が給与所得になります。

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年金収入・年金所得

算出(計算)方法
年金収入-公的年金等控除額=年金(雑)所得

公的年金等の収入は国民年金や厚生年金、企業年金が含まれます。年金の所得も給与所得と同様に計算式に当てはめて計算します。

年齢 公的年金等の収入金額(A) 所得金額
65歳未満           1円      60万円以下 0円
     60万円超    130万円未満 (A)-60万円
   130万円    410万円未満 (A)×0.75-27.5万円
   410万円    770万円未満 (A)×0.85-68.5万円
   770万円 1,000万円未満 (A)×0.95-145.5万円
1,000万円   (A)-195.5万円
65歳以上     1円    110万円以下 0円
   110万円超    330万円未満 (A)-110万円
   330万円    410万円未満 (A)×0.75-27.5万円
   410万円    770万円未満 (A)×0.85-68.5万円
   770万円 1,000万円未満 (A)×0.95-145.5万円
1,000万円   (A)-195.5万円

上記表の使い方を例題を用いて記載するので実際に計算してみましょう。

・65歳未満
年金収入:500,000円 年金所得:0円
年金収入:1,100,000円 年金所得:1,100,000円-600,000円=500,000円
年金収入:2,222,222円 年金所得:2,222,222円×0.75-275,000円=1,391,666円(一円未満切り捨て)
・65歳以上
年金収入:1,000,000円 年金所得:0円
年金収入:2,345,678円 年金所得:2,345,678円-1,100,000円=1,245,678円
年金収入:4,321,098円 年金所得:4,321,098円×0.85-685,000円=2,987,933円(一円未満切り捨て)

不動産収入・不動産所得

算出(計算)方法
不動産収入-必要経費=不動産所得

不動産収入はアパートやマンション、駐車場等を貸したとき得られる所得です。

要経費としては修繕費や固定資産税、減価償却費等が認められています。

(例)一年間の家賃収入500万円、修繕費20万円、減価償却費10万円
☞500万円-20万円-10万円=470万円(収入500万円・所得470万円)

雑所得

算出(計算)方法
総収入額-必要経費=雑所得(公的年金等は除く)

雑所得は(1)公的年金等に係るもの、(2)業務に係るもの、(3)その他と3つの区分に分かれます。

公的年金に係るものは上述した計算式を用いて所得を計算します。

業務に係るものは、主に副業に係る収入を指します。

その他については、主に生命保険の個人年金を指します。

(例)1年の間に支払いを受けた個人年金収入100万円、その年の収入に係る払込相当額(保険会社が必要経費を計算して通知します)80万円
☞100万円-80万円=20万円(収入100万円・所得20万円)

まとめ

収入と所得の違いはわかりましたか?

今回は代表的な5つ所得に絞り解説しましたが、所得の計算方法を学ぶことで収入と所得の違いがより深く理解ができると思います。

国や地方公共団体の政策や通知、税金の計算等では収入と所得は明確に区別してあります。

例えば、税法上の扶養親族に当てはまるのは年間の合計所得金額が48万円以下の人です。

103万円までの人が扶養に入れると認識している方が多いですが、これは、所得から収入を逆算した結果です(48万円+55万円=103万円)ですので、営業収入や年金収入では103万円にはなりません。

児童手当の所得制限、配偶者特別控除の金額・・・など、様々なところで「所得」という言葉を使います。

収入と所得を明確に区別できると様々なところで活かせますので、覚えた知識を使って色々調べてみてください。

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