「仕事を辞めて収入がないのに住民税の納税通知書が届いたのはなぜ?」
「退職した際に一括で住民税を払ったのに、また納税通知書が届いたのはなぜ?」
住民税は翌年度に課税される税金であるため、支払ったのにまた通知が来たと勘違いされやすくなっています。
この記事では、勘違いしてしまうポイントを詳しく解説します。
仕事を辞めても住民税が課税される理由
住民税は翌年度課税であるため、前年の収入(1月~12月)を基に課税されます。
例えば、令和5年中の収入は令和6年度に課税されます。
このように、翌年度に課税されるという制度であるため仕事を辞めて無収入であっても課税されることがあります。
【事例】
10年以上勤めており、令和5年10月をもって退職し、その後収入がない場合
令和5年度に支払っていた住民税は令和4年1月~12月に収入を得ていた分となりますので、令和5年1月~10月までに収入を得ていた分は令和6年度に課税されます。
住民税は、無職で収入がなくても、翌年度課税という性質上、令和6年度に課税されることになります。
退職時に住民税を払ったのにさらに課税される理由
「退職した時にいつもより多く住民税を払ったので、もう、働いていた分の住民税はすべて払ったと思っていたのに、翌年度に住民税が課税(納税通知書が届いた)された」という方がいると思います。
課税された理由について事例を交えて解説します。
最後の給与で一括徴収された場合
・令和5年10月に退職
・住民税の天引き額:2万円
・10月給与での住民税天引き額:16万円
給与から住民税を天引きされることを特別徴収といいますが、この特別徴収は6月~5月が1年間分となります。
事例の場合、令和5年度の住民税の残額(10月~5月分の8ヶ月分)を退職時の給与ですべて支払ったことになります。
ここで支払ったのは、あくまでも令和5年度分の住民税で、令和4年中の収入を基に課税されたものです。
つまり、令和5年の10月までの収入に対する住民税は支払っていません。
この令和5年の10月までの収入に対する住民税が令和6年度分として翌年度に課税されることになります。
最後の給与で多く住民税を支払ったことで、すべての住民税を支払ったと勘違いしてしまう原因であると言えます。
最後の給与で一括徴収されない場合は?
最後の給与で一括徴収されない場合は、その残額分の納税通知書が市区町村から送付されます。
給与からの天引きは6月~5月で1年間の住民税の支払いとなるので、
3月以降に退職した場合、3月の給与での住民税の天引きによってその年度の住民税の支払いが済んだと勘違いされることが多いです。
3月の給与で住民税の支払いが終わったと思ったら、納税通知書が届いてなぜだろうという問い合わせが多いですが、4月と5月に徴収されるべき住民税の通知が来たということになります。
退職金から住民税が引かれていた場合
・令和5年10月に退職
・退職時に退職金が支給
・退職金の支給の際に住民税が天引きされていた
退職金独自の計算があり、その計算に基づいて住民税が天引きされています。
しかし、退職金と給与にかかる住民税は別物と知っていれば勘違いすることはないと思います。
いつまで住民税を支払うのか
退職し、無職になった場合、いつまで住民税を支払うのでしょうか?
退職したのが4月~12月である場合
翌年度までの課税となります。
令和5年9月退職の場合、1月~9月までの収入が令和6年度に課税されます。
退職したのが1月~3月である場合
翌々年度までの課税となります。
令和5年1月退職の場合、1月の収入が令和6年度に課税されます。
令和5年2月退職の場合、2月の収入が令和6年度に課税されます。
令和5年3月退職の場合、3月の収入が令和6年度に課税されます。
※令和5年1月~3月は令和4年度
なお、収入額が少ない場合非課税となるので、1ヶ月~3ヶ月の給与であれば課税されない可能性もあります。
まとめ
住民税は翌年度課税であるため、もう支払ったのにと勘違いするケースがよくあります。
無職で収入がない翌年度に住民税が課税されて、支払うことが困難にならないよう住民税の支払いに係るお金をあらかじめ取り置きしておきましょう。
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