年末調整で誤りやすい事項【5パターンを解説!】(事業所向け)

年末調整
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「年末調整の事務をするのが初めてで何を気を付けたらいいの?」
「毎年、年末調整をやっているけど誤った取り扱いをしていないか不安」と思われている方もいると思います。

この記事では、年末調整を行う上で誤りやすい事項を詳しく解説していきますので、事務に取り掛かる前に確認をしてみてください。

 この記事は数千件以上の確定申告書(住民税申告書を含む)の作成経験と住民税の課税経験のある「とらまね」が解説します。
 この記事を読んでわかること
・年末調整で誤りが多い事例
・年末調整の正しい知識

年末調整の対象となる給与について

年末調整の対象となる給与は、基本給、各種手当(残業手当、休日出勤手当、管理職手当、職務手当、住宅手当、扶養手当・・・。)、賞与(ボーナス)などの総支給額が対象となります。
【誤りやすいポイント】
通勤手当は年末調整に含む収入には該当しません。
通勤手当は非課税の所得となっているため、収入には含みませんが、過剰に通知手当を支給している場合は収入に含みますのでご注意ください。

年末調整に入れる給与はいつまでの分?

年末調整の対象となる給与は1月~12月に支給された給与が対象となります。

【誤りやすいポイント】
12月分の給与を翌年の1月に支給した場合は、翌年の年末調整の対象となります。
あくまでも支給した「月」をベースに考えましょう。

収入と所得について

収入と所得は全くの別物ですのでしっかり区別する必要があります。

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には所得の見積額を記載する欄があります。ここは「所得」を記載するところで収入を記載するところではありません。

給与収入から給与所得を算出するには、計算式に当てはめることで計算できます。
算出するには以下の表を使いますのでご確認ください。

給与収入額(A)給与所得控除後の金額
(所得)
備考
 1 550,9990左記の数値が所得
 551,000 1,618,999(A)-550,000 
 1,619,000 1,619,9991,069,000左記の数値が所得
 1,620,000 1,621,9991,070,000左記の数値が所得
 1,622,000 1,623,9991,072,000左記の数値が所得
 1,624,000 1,627,9991,074,000左記の数値が所得
 1,628,000 1,799,999(A’)×0.6+100,000(A’)=(A)÷4(千円未満切り捨て)×4
 1,800,000 3,599,999(A’)×0.7-80,000(A’)=(A)÷4(千円未満切り捨て)×4
 3,600,000 6,599,999(A’)×0.8-440,000(A’)=(A)÷4(千円未満切り捨て)×4
 6,600,000 8,499,999(A)×0.9-1,100,0001円未満の端数は切り捨て
 8,500,000 (A)-1,950,000 

【計算例①】
給与収入150万円
150万円-55万円=95万円(所得)

【計算例②】
給与収入3,333,333円
3,333,333円÷4≒833,000円
833,000円×4=3,332,000円
3,332,000円×0.7-80,000円=2,252,400円(所得)

【誤りやすいポイント】
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には所得の見積額の欄に収入を記載してしまう。
ここは従業員に記載してもらうところなので、従業員が誤る可能性がありますので、事前に周知を行うと誤りが減ります。

また、年末調整の担当者も記載された所得を鵜吞みにすることなく、収入である可能性を疑いましょう。
≪ワンポイントアドバイス≫
所得の欄に103万円に近い数字(103万円以下)がある場合、収入を記載している可能性が高いです。
扶養に入れるためには、給与収入であれば103万円以下(所得で48万円以下)である必要があるため、この収入額まで抑えて働いている人が多いため、収入を記載している可能性が高いです。

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生命保険料控除について

生命保険料控除は5つの区分に分かれていて、それぞれの区分に応じて控除額を算出します。
計算については、「給与所得者の保険料控除申告書」に沿って計算すれば問題はないと思います。

【誤りやすいポイント】
生命保険料控除額を算出する際には区分を明確に分ける必要がありますが、分け方を誤ると計算も誤ってしまいます。分け方で誤ることはそれなりに多いです。

生命保険料控除の区分は次の5つです。
・一般の生命保険料控除(旧制度)
・一般の生命保険料控除(新制度)
・介護医療保険料
・個人年金保険料(旧制度)
・個人年金保険料(新制度)

生命保険会社から送付される生命保険料控除の控除証明書を基に区分分けを行います。控除証明書には必ず区分の記載がありますので、間違わないよう確認しましょう。
なお、生命保険会社によって証明書の記載箇所がバラバラで見つけるのが大変ですが、頑張って見つけましょう。

社会保険料控除について

社会保険料控除は様々な種類がありますが、給与から天引きしているものと、従業員が自分で支払っているものがあります。

【誤りやすいポイント①】
給与から天引きした社会保険料を年末調整の計算に含めていない。

給与から天引きした社会保険料(健康保険や厚生年金、雇用保険など)は、年末調整の担当者が社会保険料控除として、年末調整の計算に含めなくてはなりません。
社会保険料控除は金額が大きいので、含めずに年末調整の計算をしてしまうと影響が大きいので特に注意しましょう。

【誤りやすいポイント②】
給与から天引きしていない社会保険料を年末調整の計算に含めていない。

給与から天引きしていない社会保険料は、従業員が「給与所得者の保険料控除申告書」にその内容を記載し、提出してもらいます。その内容を確認し、社会保険料を年末調整の計算に含めます。

しかし、給与所得者のほとんどは天引きされている社会保険料のみであるため、あまり、この申告書に記載してくる方がいないため見落としがちになってしまいます。見落とさないよう良く確認を行いましょう。

ちなみに、自分で払う社会保険料で多いのは、「個人型年金(確定拠出年金)」や家族の年金保険料、国民健康保険料(税)などです。

【参考】社会保険料控除の種類
・健康保険
・国民年金
・厚生年金
・国民健康保険
・後期高齢者医療保険
・介護保険
・雇用保険 など

まとめ

年末調整の手続きは煩雑ですが、少し気を付けることで多くのミスを防ぐことができます。
ミスをするとその後の手続きがかなり大変になりますので、誤りやすいポイントを押さえて、ミスをしないようにしましょう。
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