青色申告はいくらからすべきなのか
青色申告は複式簿記で帳簿を管理しなければならないなど、難しいところがありますが、それ以上にメリットがあります。
このメリットを考えると、売り上げが少なくても青色申告をすぐに始めた方が良いことがわかります。
【青色申告のメリット】
- 最高65万円の特別控除
- 赤字を最大3年間繰り越せる
- 専従者への給与が経費になる
最高65万円の特別控除
青色申告を行い、一定の条件を満たすと最高65万円の青色申告特別控除が受けられます。
電子申告又は電子で帳簿を保存することで65万円の控除となり、紙での保存の場合は55万円の控除となります。
この65万円の控除は売上から直接引くことができるものです。
つまり、100万円の売り上げがあっても、この控除で所得は35万円となります。
この65万円の控除は大きく、所得税と住民税の節税効果としては次のとおりです。
・所得税が10％：約130,000円
・所得税が20％：約195,000円
赤字を最大3年間繰り越せる
青色申告以外の申告を白色申告と言いますが、基本的に白色申告は赤字を繰り越すことができません。
一方で、青色申告は3年間も赤字を繰り越すことができます。
特に、事業を始めたばかりの時は、売上より経費が多くなり赤字になることがあります。
事業が徐々に軌道に乗って黒字になったとしても、過去の赤字分で補填することができるため、節税効果が高いです。
この3年間の赤字繰越があるため、青色申告はすぐに始めた方が良いと言えます。
専従者への給与が経費になる
家族に給与を支払った場合、その全額が経費として見ることができます。
例えば、配偶者に150万円、子どもに100万円の専従者給与を支払った場合であれば、250万円が経費として売上から引くことができます。
青色申告の専従者給与には上限はありません。しかし、事業規模や事業の内容からして高すぎると認められない場合があります。
なお、白色申告では専従者に支払う金額には上限があります。
次のいずれか低い金額が上限となります。
・配偶者が86万円、配偶者以外の親族なら一人当たり50万円
・控除前の事業所得等の金額÷（専従者の数＋1）の金額
青色申告はいくらからすべきなのか
赤字の繰越が3年間できるといったメリットがあるため、青色申告は売り上げが少なくても始めた方が良いものとなります。
つまり、「いくらから」と考える必要がなく、準備さえ整えばすぐにでも青色申告をした方が良いということです。
青色申告を始めるタイミングについて
青色申告を始めるタイミングはできる限り早い方が良いです。
しかし、青色申告は申請をして承認されなければ始めることができません。
青色申告を始めるのに必要な書類
- 所得税の青色申告承認申請書
この書類を期限までに税務署へ提出する必要があります。
なお、「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出していない方は合わせて提出しましょう。
所得税の青色申告承認申請書の提出期限
申告をする年の3月15日までに提出する必要があります。
ただし、申告する年の1月16日以降に事業を開始した場合は、事業開始日から2ヶ月以内の提出になります。
提出期限が過ぎてしまっていたら、翌年に向けて書類を提出しましょう。
まとめ：青色申告はいくらからすべき？
青色申告には、大きく3つメリットがあるため売り上げが少額であっても、できるだけ早く始めた方が良いものです。
【青色申告のメリット】
・最高65万円の特別控除
・赤字を最大3年間繰り越せる
・専従者への給与が経費になる
しかし、青色申告を始めるにあたっての一番の壁は「複式簿記」で帳簿を管理することだと思います。
この壁を解決するには、会計ソフトを導入することで解決できます。
会計ソフトは、簿記の知識がなくても扱えて、青色申告で受けられる控除よりかなり安価なものです。
もし、複式簿記でためらっているのであれば、会計ソフトを導入し、青色申告のメリットを享受してみてください。
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