年間で6%~7%の利益分配金を得られる「みんなで大家さん」ですが、利益分配時の受取時に税金が天引きされています。
「税金が天引きされているから、確定申告は不要」と思っている方
「利益分配金に確定申告は必要ない」と思っている方
確定申告を行わなければならない場合がありますのでご注意ください。
なお、住民税の申告は必ずしなくてはなりません。
この記事では、みんなで大家さんの利益分配金にかかる税金と申告のやり方について詳しく解説します。
利益分配金にかかる税金について
みんなで大家さんは1口100万円から不動産投資を始められるもので、利益分配金を貰えます。
利益分配金は、税金が源泉徴収(天引き)された状態で受け取ることになり、これは所得税と復興特別所得税であり、税率は20.42%となっています。
後述しますが、源泉徴収分には住民税が含まれていないため、住民税の申告は必須となります。
利益分配金の申告の要否
利益分配金は申告が必要な場合と不要な場合がありますので、状況に合わせて整理しましょう。
確定申告(所得税の申告)
確定申告では、所得税の精算を行います。
利益分配金の受取時に源泉徴収されているので、既に所得税を支払っているため、過不足の精算をするイメージとなります。
確定申告は全ての所得を合わせて計算しますが、所得税の計算をした場合に追徴(所得税を追加で支払う)になるようであれば、基本的には確定申告書の提出が必要となります。
所得税が追徴になる場合についてですが、源泉徴収として所得税が引かれていますので、実際に計算した際の所得税が20.42%を超えた場合に追徴になる可能性があります。
所得税は、累進課税制度であるため、税率が5%~45%まであり、課税所得金額によって税率が決まります。
税率については、以下のとおりです。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 ~ 1,949,000円 | 5% | 0円 |
1,950,000円 ~ 3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 ~ 6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 ~ 8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 ~ 17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 ~ 39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 ~ | 45% | 4,796,000円 |
「課税所得金額はどこを見ればわかる?各帳票の記載箇所を解説!」
一方、計算した結果、還付が発生する場合は確定申告書の提出をしなくても問題はありません。
しかし、申告をしないと還付金は貰えませんので、ご自身の税率が20.42%より低い場合は申告をした方が良いと思われます。
所得税の計算をした場合に追徴になる場合であっても、確定申告が不要な場合があります。
確定申告が不要なケース
給与収入を得ている方は、利益分配金の金額が20万円以下であれば申告は不要となります(申告不要制度)。
年金収入が400万円以下であれば、利益分配金の金額が20万円以下であれば申告は不要となります(申告不要制度)。
給与収入の方も年金収入の方も、所得税の計算をした結果、追徴になる場合でも申告はしなくて大丈夫です。
確定申告が不要なケースが使えるのは?
100万円×6%×3口=18万円
100万円×6%×4口=24万円
☞3口までは申告不要制度が使えます。
100万円×7%×2口=14万円
100万円×7%×3口=21万円
☞2口までは申告不要制度が使えます。
住民税の申告
忘れがちで注意しなければいけないのが、住民税の申告です。
確定申告をしている方は、同時に住民税の申告をしていることになりますので、改めて住民税の申告をする必要はありませんので、安心してください。
確定申告では、申告不要制度などで確定申告書の提出をする必要のない方もいますが、住民税の申告に申告不要制度はありません。
よって、利益分配金を受け取った方は必ず住民税の申告を行わなくてはなりません。
確定申告のやり方・支払調書の転記方法
①準備するもの
・みんなで大家さんの支払調書
・給与や年金の源泉徴収票
・社会保険料の控除証明書(源泉徴収に記載があれば不要)
・生命保険の控除証明書
・地震保険の控除証明書
・医療費控除の明細書
・寄附金の受領証
・マイナンバーカード(なければ身分証明書)
・還付先口座のわかるもの
※収入や控除で該当するものがない場合は準備は不要です
②申告書の作成
みんなで大家さんの利益分配金は雑所得(その他)となり、確定申告書の記載箇所は以下のとおりです。
まずは、確定申告書第二表ですが、赤枠部分が記載箇所となります。
・所得の種類
☞雑
・種目
☞利益分配金
・支払者の名称
☞支払いを受けた会社名と法人番号または所在地
・収入金額
☞利益分配金の総支給額(源泉徴収の前の金額)
・源泉徴収税額
☞源泉徴収された所得税の金額
次に、確定申告書第一表ですが、赤枠部分が記載箇所となります。
〇記入するもの
・収入金額等
雑・その他欄に記載します。
☞区分は空白で構いません。
※区分1は個人年金、区分2は暗号資産、区分3は個人年金と暗号資産の両方
☞金額欄には、第二表で記載した収入金額を記載します。
・所得金額等
雑・その他欄に記載します。
☞特段経費がないと思いますので、収入金額と同額を記載します。
このほかに、給与や年金収入などがあれば記載が必要です。
また、控除関係も併せて申告を行います。
③確定申告書の提出
確定申告書の提出方法は以下のとおりです。
・e-Taxによる電子送信
・税務署の窓口への提出
・税務署へ郵送
・税理士への依頼
・市区町村の臨時申告窓口への提出
住民税申告のやり方
住民税申告のやり方は、確定申告書のやり方と基本的には同様になりますので、上記をご確認ください。
ただし、申告書の様式は各市区町村によって違う可能性が高いので、お住いの地区町村に確認しましょう。
また、提出についても、市区町村の窓口でしか受け付けていないので、ご注意ください。
まとめ
みんなで大家さんの利益分配金について、確定申告は、必要な場合と不要な場合がありますので、自分の状況に応じて判断する必要があります。
住民税の申告は、しなくてはならないものになりますので、確定申告を行わない方は、住民税の申告を忘れずに行いましょう。
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