高校生扶養控除縮小の影響額は?児童手当増額との比較!手取りは?

基礎知識
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「扶養控除が縮小したら税の負担はいくら増えるの?」
「児童手当が増額するから手取り額は減らないって言うけど本当?」

児童手当が拡充する中、扶養控除の縮小が行われる予定で、所得税は令和8年分から、住民税は令和9年度分から変更の予定となっていますが、扶養控除縮小による税負担の影響額と児童手当増額を比較し、実際の手取り額について丁寧に解説します。

 この記事は数千件以上の確定申告書(住民税申告書を含む)の作成経験と住民税の課税経験のある「とらまね」が解説します。
 この記事を読んでわかること
・扶養控除縮小の背景について
・扶養控除縮小に係る影響額について
・児童手当増額分との比較について
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扶養控除縮小の背景について

令和6年12月からこれまで15歳までだった児童手当が18歳まで拡充されることになりました。
これに伴って、16歳~18歳(高校生世代)の扶養控除を縮小する案が議論されています

なぜ、扶養控除を縮小しなければならないのか?

過去に15歳までを対象とした児童手当が創設された際に、15歳までの扶養控除が廃止されました。※実際は年少扶養控除として残っているが、控除額はない。
また、高校生に児童手当を支給する場合に、扶養控除を残したままの場合、中学生以下の子どもを持つ世帯との公平性が保たれないとの課題が指摘されています。

単純に財源確保との見方もできますが・・・。

扶養控除縮小に係る影響額について

現在、検討されている扶養控除の縮小については、下表のとおりです。

控除の種類 現行 変更後 差額
扶養控除(一般) 所得税 16~18歳 38万円 25万円 13万円
住民税 16~18歳 33万円 12万円 21万円

所得税は、38万円から25万円になり、その差額は13万円
住民税は、33万円から12万円になり、その差額は21万円にすることが検討されています。

所得税の影響額は?

所得税は、累進課税制度となっていますので、課税所得金額が高いほど税率が上がりますので、影響額は税率毎に考える必要があります。

※課税所得金額とは、所得から所得控除を引いて算出されるものですが、確認方法等につきましては、次の記事をご確認ください。
課税所得金額はどこを見ればわかる?各帳票の記載箇所を解説!

税率に応じた所得税の影響額は下表のとおりです。

税率 年間の増税額(円)
5%  6,500
10%  13,000
20%  26,000
23%  29,900
33%  42,900
40%  52,000
45%  58,500

※復興特別所得税は加味していません

税率が高いほど、控除額縮小の影響を受け増税となっています。

住民税の影響額は?

住民税の税率は10%となっておりますので、影響額は一律となります。

税率 年間の増税額(円)
10%  21,000

所得税と住民税を合わせた増税額は?

所得税と住民税を合わせた増税額は下表のとおりです。

所得税の税率 増税額合計(円)
5%  27,500
10%  34,000
20%  47,000
23%  50,900
33%  63,900
40%  73,000
45%  79,500

所得税と住民税を合わせると、なかなか大きい金額の増税となります。

児童手当増額分との比較について

児童手当の増額に伴い、扶養控除の縮小が検討されていますが、比較した場合最終的な手取り額はどうなるのか解説します。

まず、児童手当の増額分についてですが、16歳~18歳までの
第1子・第2子については、10,000円、
第3子以降については、30,000円となります。

子どもが1人の場合の比較

所得税の税率毎に比較した場合、下表のとおりとなります。

税率 増税額合計(円) 児童手当増額(円) 実質手取り額(円)
5%  27,500  120,000  92,500
10%  34,000  120,000  86,000
20%  47,000  120,000  73,000
23%  50,900  120,000  69,100
33%  63,900  120,000  56,100
40%  73,000  120,000  47,000
45%  79,500  120,000  40,500
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子どもが2人の場合の比較

税率 増税額合計(円) 児童手当増額(円) 実質手取り額(円)
5%  55,000  240,000  185,000
10%  68,000  240,000  172,000
20%  94,000  240,000  146,000
23%  101,800  240,000  138,200
33%  127,800  240,000  112,200
40%  146,000  240,000  94,000
45%  159,000  240,000  81,000

子どもが3人の場合の比較

税率 増税額合計(円) 児童手当増額(円) 実質手取り額(円)
5%  82,500  600,000  517,500
10%  102,000  600,000  498,000
20%  141,000  600,000  459,000
23%  152,700  600,000  447,300
33%  191,700  600,000  408,300
40%  219,000  600,000  381,000
45%  238,500  600,000  361,500

まとめ

比較した表を見て頂ければわかるように、確かに手取り額が増えることがわかり、収入が高い方の方があまり恩恵を受けていないこともわかります。
高所得者からの分配という意味合いでは、正しい手法だと言えます。

しかし、児童手当を拡充して扶養控除を縮小することで複雑になってしまっていて、さらに扶養控除の縮小だけを見ると増税といっても過言ではありません。

児童手当の拡充だけで終わらせることや児童手当の拡充の際に段階を作るなど、税に反映させない制度だったのならもっとわかりやすかったと思います。

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