生命保険料控除の対象者は?生命保険料控除の種類について解説

生命保険料控除対象者 基礎知識
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多くの方が生命保険に加入していると思いますが、生命保険に加入していることで所得税と住民税の控除を受けられるのが生命保険料控除です。
では、この生命保険料控除の対象は誰なのかご存じですか?
生命保険に加入する場合は、契約(加入)者・支払(負担)者・受取人をそれぞれ決めますが、「契約者が生命保険料控除を受けられるのか?」、「それとも支払者が控除を受けられるのか?」判断が難しいと思います。
この記事では、誰が生命保険料控除が受けられるのかをわかるように詳しく解説します。 記事をお読みいただくと、生命保険料控除が受けられるのが誰かを迷わなくなります。
この記事は数千件以上の確定申告書(住民税申告書を含む)の作成経験と住民税の課税経験のある「とらまね」が解説します。
 この記事を読んでわかること
・生命保険料控除の対象者
・生命保険料控除の種類

生命保険料控除の対象者とは

生命保険料控除の対象者

生命保険料控除の対象者は、契約した者に関係なく保険料を支払った者が受けることができます。
ただし、保険料の受取人が本人、配偶者、親族に限られます。

少しわかりづらいので、事例を出して考えていきます。

【例1】
契約者:本人
保険料支払者:本人
保険料受取人:本人
→本人が生命保険料控除を受けられる
【例2】
契約者:夫
保険料支払者:妻
保険料受取人:夫
→妻が生命保険料控除を受けられる
【例3】
契約者:親
保険料支払者:子
保険料受取人:子
→子が生命保険料控除を受けられる
【例4】
契約者:夫
保険料支払者:夫
保険料受取人:妻→子(年の途中離婚し子に変更)
→婚姻中の妻分の支払いと受取人を子に変更してからの支払い分が適用
離婚後に受取人が妻のまま支払いを行った分は適用外
受取人が親族の場合で、支払いを行った方が生命保険料控除を受けることができます。

生命保険料控除の種類

生命保険料控除の種類

生命保険料控除の種類は以下のとおり5つに分かれます。

・旧生命保険料(一般)
・旧個人年金保険料
・新生命保険料
・新個人年金保険料
・介護医療保険料

これらの区別はご加入の生命保険会社から発行される「生命保険料の控除証明書」にそれぞれ記載があります。

※「旧」は平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に基づく保険料を指します。
※「新」は平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に基づく保険料を指します。
また、生命保険料控除は、支払った金額がそのまま控除額になるわけではないので、計算方法も確認しておきましょう。

所得税の生命保険料控除の計算方法について

<旧生命保険料(一般)・旧個人年金保険料>

支払った保険料 控除額
2万5,000円以下 支払った保険料額
2万5,000円超~5万円以下 支払った保険料額×0.5+1万2,500円
5万円超~10万円以下 支払った保険料額×0.25+2万5,000円
10万円超 一律5万円

<新生命保険料(一般)・新個人年金保険料・介護医療保険料>

支払った保険料 控除額
2万円以下 支払った保険料額
2万円超~4万円以下 支払った保険料額×0.5+1万円
4万円超~8万円以下 支払った保険料額×0.25+2万円
8万円超 一律4万円

支払った生命保険料の種類・金額に応じて控除額の計算を行います。

住民税の生命保険料控除の計算方法について

<旧生命保険料(一般)・旧個人年金保険料>

支払った保険料 控除額
1万5,000円以下 支払った保険料額
1万5,000円超~4万円以下 支払った保険料額×0.5+7,500円
4万円超~7万円以下 支払った保険料額×0.25+1万7,000円
7万円超 一律3万5,000円

<新生命保険料(一般)・新個人年金保険料・介護医療保険料>

支払った保険料 控除額
1万2,000円以下 支払った保険料額
1万2,000円超~3万2,000円以下 支払った保険料額×0.5+6,000円
3万2,000円超~5万6,000円以下 支払った保険料額×0.25+1万4,000円
5万6,000円超 一律2万8,000円

支払った生命保険料の種類・金額に応じて控除額の計算を行います。

生命保険料控除額の上限について

生命保険料控除は一定の額を支払った場合、控除額は頭打ちなるので注意が必要です。

計算方法についての上記の表に記載のとおり一定の保険料額を支払ったら一律○○円となります。 しかし、5種類すべての保険料を一定額以上払ったとしても単純に合計すればいいわけではありません。

所得税の場合で、5種類すべての保険料を15万円支払ったので、5万円+5万円+4万円+4万円+4万円=22万円の控除が受けられる。→誤り

旧制度と新制度の両方を支払っている場合

次の上限額が適用されます。

(所得税)
旧制度が4万円超の控除額:旧制度の控除額のみ使用する(上限5万円)
旧制度が4万円以下の控除額:新制度と旧制度の控除額を合算して使用する(上限4万円)

【例1】
旧制度4万5,000円、新制度3万5,000円
☞旧制度が4万円超のため、控除額は4万5,000円となります。

【例2】
旧制度3万円、新制度3万円
☞旧制度が4万円以下のため、控除額を合算して6万円となるが、上限が4万円のため、控除額は4万円となります。

(住民税)
旧制度が2万8,000円超の控除額:旧制度の控除額のみ使用する(上限3万5,000円)
旧制度が2万8,000円以下の控除額:新制度と旧制度の控除額を合算して使用する(上限2万8,000円)

旧制度と新制度、介護医療保険制度のすべてを支払っている場合

5種類すべての生命保険料を支払っている場合、 所得税の上限額は12万円、住民税の上限額は7万円となります。

すべての種類の生命保険料の支払いを行っていて、それぞれ多額の金額を支払っていたとしても所得税12万円、住民税7万円になるということです。

まとめ:生命保険料控除の対象者は?

生命保険控除の対象者は、受取人が親族の場合で、契約者に関係なく支払いを行った方が生命保険料控除を受けることができます。

基本的な考えとしては、条件を満たしていれば支払いを行った方の控除となると覚えていれば間違うことはないと思います。

また、このことがわかればうまく申告することで節税することもできます。
節税の具体的なやり方については次の記事をご覧ください。
生命保険料控除でどれくらいお得になる?申告の仕方で得する?

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