地震保険料控除 所得税と住民税の違い⁉

基礎知識
当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。

「年末調整や確定申告で地震保険料控除を入れたけど住民税の通知で控除額が違うけど正しいの?」

「所得税と住民税では地震保険料控除の上限額に違いはあるの?」

所得税と住民税で控除額が違うと間違っているのではないかと不安になってしまいますが、控除額が違うことの方が多いです。

この記事では所得税と住民税の地震保険料控除の違いについてわかりやすく解説します。

 この記事は数千件以上の確定申告書(住民税申告書を含む)の作成経験と住民税の課税経験のある「とらまね」が解説します。
 この記事を読んでわかること
・所得税と住民税の控除額の違いについて
・地震保険料控除の計算方法について
・地震保険料控除の上限額について

所得税と住民税の控除額の違いについて

所得税と住民税では地震保険料控除の計算方法が違いますので控除額が異なっていることが多いです。

では、具体的な計算方法について見ていきましょう!

まず、地震保険料控除は2つの種類がありますので押さえておきましょう。

・地震保険料
・旧長期損害保険料

これらの区別はご加入の損害保険会社から発行される「地震保険料の控除証明書」にそれぞれ記載があります。

※旧長期損害保険料とは
平成18年12月31日までに締結した長期損害保険契約のことです。

所得税の地震保険料控除の計算方法について

<地震保険料控除>

支払った保険料控除額
5万円以下支払った保険料額
5万円超一律5万円

<旧長期損害保険料控除>

支払った保険料控除額
1万円以下支払った保険料額
1万円超~2万円以下支払った保険料額×0.5+5,000円
2万円超一律1万5,000円

「地震保険控除証明書」に記載されている保険料を確認し、上表の支払った保険料に応じた控除額を算出します。

※地震保険料控除と旧長期損害保険料控除の2つがある場合は、後述しています。

住民税の地震保険料控除の計算方法について

<地震保険料控除>

支払った保険料控除額
5万円以下支払った保険料額×0.5
5万円超一律2万5,000円

<旧長期損害保険料控除>

支払った保険料控除額
5,000円以下支払った保険料額
5,000円超~1万5,000円以下支払った保険料額×0.5+2,500円
1万5,000円超一律1万円

※地震保険料控除と旧長期損害保険料控除の2つがある場合は、後述しています。

控除額の違いについて

上記の表に当てはめて計算すると以下のとおり違いがわかります。

【例】地震保険料の支払額が1万円の場合

(所得税)
支払った保険料が5万円以下であるため、支払った額が控除額となります。
よって、控除額は「1万円」です。

(住民税)
支払った保険料が5万円以下であるため、支払った額×0.5が控除額となります。
よって、控除額は「5,000円」です。

「【例】」の場合、所得税と住民税の控除額に5,000円の差が生じました
このように、所得税と住民税では計算式が異なるため、控除額に違いが発生します

スポンサーリンク

地震保険料控除額の上限について

地震保険料控除は一定の額を支払った場合、控除額は頭打ちなります。

計算方法についての表に記載のとおり一定の保険料額を支払ったら一律○○円となります。
しかし、2種類すべての保険料を一定額以上払ったとしても単純に合計すればいいわけではありません。

所得税の場合で、2種類をそれぞれ保険料を5万円支払ったので、5万円+1万5,000円=6万5,000円の控除が受けられる。は間違いになります

地震保険料と旧長期損害保険料の両方を支払っている場合(別契約)

次の上限額が適用されます。

(所得税)
※地震保険料控除と旧長期損害保険料控除の2つがある場合は、それぞれ控除額を計算し、合算します。合算後の上限額は5万円となります。

【例1】地震保険料6万円、旧長期損害保険料6万円
☞それぞれ控除額は、5万円と1万5,000円になりますが、合算後の上限額が5万円であるため、控除額は5万円となります。

【例2】地震保険料2万円、旧長期損害保険料2万円
☞それぞれ控除額は、2万円と1万5,000円となり、合算後の上限額が5万円以下であるため、控除額は3万5,000円となります。

(住民税)
※地震保険料控除と旧長期損害保険料控除の2つがある場合は、それぞれ控除額を計算し、合算します。
合算後の上限は2万5,000円となります

計算方法は所得税と同様です。

地震保険料と旧長期損害保険料の両方を支払っている場合(同じ契約)

一つの契約で地震保険料控除と旧長期損害保険料控除のいずれにも該当する場合は、いずれか一方の契約区分のみ使用できます。

【例】一つの地震保険料控除証明書に地震保険料4万円、旧長期損害保険料2万円の場合

☞それぞれ控除額は、4万円と1万5,000円となるので、4万円か1万5,000円のどちらかの控除を適用できます。

この場合、4万円の控除を適用する方が有利になりますので、地震保険料のみを選択することとなります。

その場合、旧長期損害保険料の控除額は使用できませんのでご注意ください。

まとめ

地震保険料控除の所得税と住民税の違いについて解説しました。

違いは、いたって単純な話で、計算式(計算方法)が違うからです。

計算についても、表に当てはめればできるものなので、是非ご自身の地震保険料控除を計算してみてください(上限額には注意してください)。

スポンサーリンク
基礎知識
スポンサーリンク
とらまねをフォローする

コメント