亡くなった人の住民税はどうなる?何か手続きは必要?

住民税
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「亡くなった人の住民税の請求が来たけど払う必要はあるの?」

「そもそも誰が払うべきものなの?」

ご家族が亡くなってからまだ悲しみが癒えていない頃に住民税の納税通知書が届くことがあります。

間違いなのでは?と思うかもしれませんが、納税通知書が届いたということは支払う義務があるということです。

この記事では、亡くなった方の住民税を「誰が」、「どうやって」、そして、「いつまで」支払うべきものなのかを解説します。

 この記事は住民税の課税などの実務経験のある「とらまね」が解説します。
 この記事を読んでわかること
・亡くなった方の住民税の納税義務について
・払わなくていい場合
・手続きについて

亡くなった方の住民税の納税義務について

住民税は、1月1日にお住いの市区町村で課税されるものです。

つまり、1月1日に生存していれば1年間分の住民税が課税されることになります。

住民税は、前年の1月1日~12月31日の所得に対して課税するといった性質からこのような基準が設けられています。

1月1日に亡くなった場合は、納税義務は発生しません
1月2日に亡くなった場合は、1年間分の納税義務が発生します。

亡くなった方の住民税は誰が払う

亡くなった方の住民税は相続をした方が支払うことになります

しかし、相続人は複数人いることが多いため、「相続人代表者」を決めて、支払うことが一般的です。

住民税に関する相続人代表者を指定することで、その相続人代表者に納税通知書などの住民税に関する通知が届くことになります。

住民税の支払方法は?

相続人が支払う住民税の支払方法は普通徴収となります。

普通徴収とは、納付書での支払いや口座振替を指します。

相続人の方の住民税の徴収方法が、特別徴収(給与からの天引き)であっても、亡くなった方の住民税分は普通徴収になります。
特別徴収は本人の住民税しかできないからです。
亡くなった方が生前口座振替で住民税を支払っていても、口座は凍結しますので、そのまま使用することはできません。

亡くなった方の住民税はいつ(いつの分)まで払う?

「1度、納税通知書がきて、すべて支払ったのに、再度、納税通知書がきて1年間分の請求がきたけどいつまで支払えばいいの?」と思われる方もいると思います。

亡くなった時期や支払っていた住民税の状況によって2年度分の支払いをしないといけないことがあります

これは、住民税が前年中(1月~12月)の所得に対して当該年度に課税する性質があるからです。

1月1日までに亡くなった場合

1月1日までに亡くなった場合は、その亡くなった日の属する年度分の住民税で支払いが終わります

よって、支払う住民税はその年度分であって、亡くなった方がまだ支払いを済ませていない分だけとなります。

1月2日以降に亡くなった場合

1月2日以降に亡くなった場合の住民税は、1月1日を基準として考えると、その1月1日の属する年度分の住民税と翌年度の住民税で支払いが終わります

例えば、10月に亡くなった場合は、その年度の未払いの住民税を支払えば終わりです。

しかし、1月(1月1日を除く)に亡くなった場合は、その年度の住民税の未払い分を支払っても、翌年度の住民税が課税されます。

この翌年度に課税される住民税は、6月頃に納税通知書がきますので、「また払うの?」という状況になってしまいます。

住民税の普通徴収の納期は1期~4期です。
市区町村によって納期限は異なりますが、4期目が1月末の市区町村が多いです。
よって、1月に亡くなった場合、1月分の支払いが終わっていないことがあります。

住民税を払わなかったら?

住民税の納税義務は、亡くなった方から相続人に引き継がれます。

よって、必ず支払わなくてはいけないものです。

支払いが遅延すると延滞金が発生したり、財産の差し押さえを受けたりしますので、期限内に納めるようにしましょう。

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亡くなった方の住民税を支払わなくていい場合

ここまで、亡くなった方の住民税を相続人が払わなければならないものだと、記述しました。

しかし、状況によっては支払わなくてもいい場合がありますので、2点紹介します。

相続放棄

相続放棄をした場合は、住民税の支払いも放棄することになるので、住民税を支払う必要はありません

ただし、相続放棄は相続人となり得る方が全員しないと、放棄した次の順位の方が支払うことになるだけです。

全員が相続放棄することで、住民税の支払いは本当の意味でなくなることになります。

亡くなった方が住民税を払いすぎていたことが判明したときには、相続人が還付を受けることになります。
しかし、相続放棄しているとこの還付も放棄したことになるので注意しましょう。

特別徴収の一括徴収

亡くなった方の住民税の支払方法が特別徴収(給与からの天引き)の場合、会社の手続き方法によりますが、一括徴収(最後の給与から残りの住民税をすべて支払う)の方法で徴収することがあります。

この場合であれば、亡くなった年度の住民税は最後の給与からすべて引かれていますので、相続人に納税通知書が届くことはありません。

元々特別徴収だった方が亡くなった場合は、亡くなった方の会社に住民税の天引き状況を確認することをお勧めします。

会社で一括徴収にするにせよ、普通徴収にするにせよ、会社から市区町村へ住民税の報告をすることになります。

その報告を受けて市区町村が住民税の更正処理をし、普通徴収の場合であれば、相続人に通知を送ることになります。

この流れだけで、ある程度の時間がかかってしまうということは想像できますよね?

このような手続きがあるため、納税通知書が相続人に届くのが遅くなり、「忘れたころに請求がくる」というわけです。

亡くなった後の住民税の手続きについて

死亡届の提出等で、役所に赴くタイミングで住民税の手続きを済ませましょう。

とはいったものの…、住民税の手続きはほとんどなく、相続人代表者の指定届を提出する程度です。

手続き以外に、亡くなった方の住民税の支払い状況を確認することをお勧めします。

確認する項目としては以下のとおりです。
・滞納はないか(納期限を過ぎたもの)
・未納分はないか(納期未到来のもの)
・これから課税されるものはないか(翌年度のものなど)

まとめ

亡くなった人の住民税ついて解説しました。

相続する方は、特段手続きすることなく、住民税の請求がくることがありますので、突然のことで驚かれる方も多いと思います。

住民税の請求は忘れたころにやってくると覚えておきましょう。

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