サラリーマンでも、副業をしていたり、医療費控除や寄附金控除を活用したりする場合は確定申告が必要になります。
しかし、確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があり、「どちらを選べばいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、ほとんどの方は白色申告になりますが、一部条件を満たした方は青色申告を行うことで、節税効果を最大限活用できます。
本記事では、サラリーマンが確定申告をする際に青色申告と白色申告のどちらを選ぶべきか、どちらで申告ができるのかについて詳しく解説します。
サラリーマンの確定申告で青色申告をする場合
サラリーマンの確定申告といえば通常は白色申告を行います。
副業や個人事業の収入がある場合に青色申告を選択することができます。
青色申告には多くの節税メリットがあり、正しく申請すれば税負担を大きく軽減できます。
ただし、青色申告をするためには一定の条件を満たす必要があり、事前の準備も欠かせません。
ここでは、サラリーマンが青色申告を行うための条件やメリットについて詳しく解説します。
青色申告ができるサラリーマンの条件とは?
青色申告を利用できる主な条件
- 給与所得以外に事業所得があること(副業・フリーランス収入など)
- 開業届を税務署に提出していること
- 青色申告承認申請書を期限内に提出していること(開業年の2カ月以内、またはその年の3月15日まで)
- 正規の帳簿(複式簿記または簡易簿記)を作成すること
サラリーマンが青色申告をするには、単なる副業収入ではなく「事業所得」として認められる必要があります。
例えば、継続的に利益を得ているフリーランス活動や個人ビジネスが該当します。
また、青色申告を適用するには、事前に「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署へ提出し、適切な帳簿管理を行う必要があります。
これらの条件をクリアすれば、最大65万円の控除や事業所得が赤字の場合に3年間繰り越せるなどの大きな節税メリットを享受できます。
青色申告で受けられる主なメリット
青色申告には、サラリーマンにとって魅力的な節税メリットが多数あります。
最大の利点は、「青色申告特別控除」が適用されることです。正規の帳簿(複式簿記等)をつけている場合、最大65万円の控除が受けられ、所得税や住民税を大幅に節約できます。
また、青色申告では赤字を3年間繰り越しできるため、もし事業が赤字になった場合でも、翌年以降の黒字と相殺し、税負担を減らせます。
さらに、自宅で仕事をする場合、家賃や光熱費の一部を経費として計上することも可能です。
このように、青色申告を活用すれば副業の税金を抑えつつ、効率的に利益を上げることができます。
副業を本格化させたいサラリーマンにとって、青色申告は非常に有利な制度といえるでしょう。
サラリーマンの確定申告で白色申告をする場合
サラリーマンの確定申告では、青色申告と白色申告のどちらかを選択できますが、「とりあえず簡単に済ませたい」「事業規模が小さい」という場合は白色申告が適しています。
白色申告は青色申告のような特別控除はありませんが、事前の手続きが不要で、帳簿付けの負担も軽いというメリットがあります。
ここでは、サラリーマンが白色申告を選ぶべきケースについて詳しく解説します。
白色申告が適しているサラリーマンの条件とは?
白色申告を選んだ方がよいサラリーマンの主な条件は以下のとおりです。
- 副業の収入が少額であり、青色申告の控除を活用するほどではない
- 開業届を出しておらず、事業所得ではなく雑所得として申告する
- 帳簿管理の手間をかけたくない(簡易な記録のみで済ませたい)
- 税務署への事前手続きなしで確定申告をしたい
白色申告は、副業収入が少なく「簡単に確定申告を済ませたい」という人に向いています。
例えば、メルカリやフリマアプリでの売上、副業としてのライティングやアフィリエイト収入が年間20万円を少し超える程度であれば、白色申告でも問題ありません。
開業届を出していない場合は、そもそも事業所得ではなく雑所得として計上するため、青色申告の対象になりません。
このような場合、基本的には白色申告を選ぶことになります。
白色申告のメリットとデメリット
ここでは、白色申告のメリットとデメリットを解説します。
メリット
- 事前の手続きが不要(開業届・青色申告承認申請書の提出が不要)
- 帳簿の管理が簡単(複式簿記不要で、収支の記録だけでOK)
- 初心者でも手軽に申告できる
白色申告の最大のメリットは、事前の手続きが不要であることです。
青色申告では「開業届」と「青色申告承認申請書」の提出が必要ですが、白色申告ならそれらを省略できます。
また、記帳も簡易的で済むため、会計ソフトを使わず手書きでも対応できる点が魅力です。
デメリット
- 青色申告特別控除(最大65万円)が使えない
- 赤字を翌年以降に繰り越せない
- 家賃や光熱費の一部経費計上のメリットが少ない
一方で、白色申告は控除額が少なく、節税のメリットが小さい点がデメリットです。
例えば、青色申告では65万円の控除が受けられますが、白色申告にはそのような特典はありません。
また、赤字が出ても翌年以降に繰り越せず、経費計上の自由度も低いため、収入が大きくなってきた場合は青色申告を検討した方が良いでしょう。
まとめ:白色申告と青色申告、どちらを選ぶべき?
白色申告が向いているのは、次のような人です。
- 副業収入が少額であり、税金の負担がそこまで大きくない
- 帳簿付けの手間を省きたい
- 税務署への事前手続きを避けたい
一方で、以下のような人は青色申告を検討した方が良いでしょう。
- 副業の収入が増えてきた(年間数十万円以上)
- 節税対策として最大65万円の控除を活用したい
- 事業を本格化させる予定がある
最初は白色申告で始め、収入が増えてきたら青色申告に切り替えるのも一つの方法です。
自分の副業スタイルに合った申告方法を選び、無理のない確定申告を行いましょう。
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