「バイト先から年末調整してないから、確定申告してねって言われたけど、どうすればいいの?」
バイトした収入を確定申告しなくてはならない場合がありますが、
「確定申告書の書き方なんてわからない」というのが普通です。
この記事では、未年調の場合で確定申告書を作成する方法と、年末調整をしている場合の確定申告を作成する方法を詳しく解説しています。
源泉徴収票と確定申告書の記載例つきで解説しますので、この記事を見ながら確定申告書を作成すれば完成します。
未年調の場合の確定申告書作成方法
未年調とは?
源泉徴収票では、以下の箇所しか数字が入っていないものです。
・支払金額
・源泉徴収税額
・社会保険料等の金額
確定申告書第二表の記載方法
基本的には、源泉徴収票の内容を転記します。
年分
何年分の申告なのかわかるように記載します。
忘れることの多い箇所です。
→令和5年1月1日~令和5年12月31日までに得た収入の申告
令和6年3月15日までの申告期間のものです。
住所・氏名
自分の住所と氏名を記載します。
所得の内訳
左側から次のように記載します。
・給与
・給料
・会社名と会社の法人番号または会社の住所(転記)
・源泉の支払金額(転記)
・源泉の源泉徴収税額(転記)
※転記は源泉徴収票からの転記です
社会保険料控除
・源泉(源泉徴収票より転記するため)
・源泉の社会保険料等の金額(転記)
※「うち年末調整等以外」は源泉に記載していない社会保険料等を記載します。
確定申告書第一表の記載方法
確定申告書第二表の作成が終わったら、第一表の作成を行います。
確定申告書第一表は、左上から左下、右上から右下へ進みながら記載していきます。
また、第二表を参考にすることで簡単に作成できます。
上段箇所の記載
収入金額等
所得金額等
下表に収入金額を当てはめて算出した結果を記載します。
給与収入額(A) | 給与所得控除後の金額 (所得) |
備考 | ||
1 | ~ | 550,999 | 0 | 左記の数値が所得 |
551,000 | ~ | 1,618,999 | (A)-550,000 | |
1,619,000 | ~ | 1,619,999 | 1,069,000 | 左記の数値が所得 |
1,620,000 | ~ | 1,621,999 | 1,070,000 | 左記の数値が所得 |
1,622,000 | ~ | 1,623,999 | 1,072,000 | 左記の数値が所得 |
1,624,000 | ~ | 1,627,999 | 1,074,000 | 左記の数値が所得 |
1,628,000 | ~ | 1,799,999 | (A’)×0.6+100,000 | (A’)=(A)÷4(千円未満切り捨て)×4 |
1,800,000 | ~ | 3,599,999 | (A’)×0.7-80,000 | (A’)=(A)÷4(千円未満切り捨て)×4 |
3,600,000 | ~ | 6,599,999 | (A’)×0.8-440,000 | (A’)=(A)÷4(千円未満切り捨て)×4 |
6,600,000 | ~ | 8,499,999 | (A)×0.9-1,100,000 | 1円未満の端数は切り捨て |
8,500,000 | ~ | (A)-1,950,000 |
給与収入:1,622,222円 給与所得:1,072,000円
給与収入:1,666,666円 給与所得:1,666,666円÷4=416,666.5円→416,000円(千円未満切り捨て)×4=1,664,000円→1,664,000円×0.6+100,000円=1,098,400円
給与収入:5,555,5555円 給与所得:5,555,555円÷4=1,388,888.75円→1,388,000円(千円未満切り捨て)×4=5,552,000円→5,552,000円×0.8-440,000円=4,001,600円
所得から差し引かれる金額
基礎控除は、所得が2,400万円を超えると控除額が変わります。
税金の計算
・課税される所得金額(課税所得金額)は、所得-所得控除で算出します。
95万円-58万円=37万円
・上に対する税額は、課税所得金額に応じた税率を乗じて算出します。
37万円×5%=18,500円
この計算は、下表に基づいて計算します。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 ~ 1,949,000円 | 5% | 0円 |
1,950,000円 ~ 3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 ~ 6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 ~ 8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 ~ 17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 ~ 39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 ~ | 45% | 4,796,000円 |
※課税所得金額が200万円であれば、200万円×10%-97,500円=102,500円となります。
18,500円×2.1%=388円(小数点以下切り捨て)
18,500円+388円=18,888円
23,400円
18,888円-23,400円=△4,512円
→申告納税額がプラスの場合は、納める税金
→申告納税額がマイナスの場合は、還付される税金
還付の場合
還付先の情報を忘れずに記載しましょう。
年末調整済の場合の確定申告書作成方法
ここでは、年末調整が終わっている場合で、控除を追加(この記事では国民年金)する場合の確定申告書の作成方法を解説します。
※追加する控除がなければ、年末調整で税金の計算が終わっているので、確定申告は不要です。
確定申告書第二表の記載方法
基本的には、源泉徴収票の内容を転記します。
年分
何年分の申告なのかわかるように記載します。
忘れることの多い箇所です。
→令和5年1月1日~令和5年12月31日までに得た収入の申告
令和6年3月15日までの申告期間のものです。
住所・氏名
自分の住所と氏名を記載します。
所得の内訳
左側から次のように記載します。
・給与
・給料
・会社名と会社の法人番号または会社の住所(転記)
・源泉の支払金額(転記)
・源泉の源泉徴収税額(転記)
※転記は源泉徴収票からの転記です
社会保険料控除
〇1段目
・源泉(源泉徴収票より転記するため)
・源泉の社会保険料等の金額(転記)
〇2段目
・国民年金(支払った控除の名称を記載)
・支払った控除の金額を記載
・支払った控除の金額を記載(年末調整に入っていないため記載)
確定申告書第一表の記載方法
確定申告書第二表の作成が終わったら、第一表の作成を行います。
確定申告書第一表は、左上から左下、右上から右下へ進みながら記載していきます。
また、第二表を参考にすることで簡単に作成できます。
上段箇所の記載
収入金額等
所得金額等
※給与所得控除後の金額=所得
所得から差し引かれる金額
基礎控除は、所得が2,400万円を超えると控除額が変わります。
税金の計算
・課税される所得金額(課税所得金額)は、所得-所得控除で算出します。
95万円-778,240円=171,000円
・上に対する税額は、課税所得金額に応じた税率を乗じて算出します。
171,000円×5%=8,550円
この計算は、下表に基づいて計算します。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 ~ 1,949,000円 | 5% | 0円 |
1,950,000円 ~ 3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 ~ 6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 ~ 8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 ~ 17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 ~ 39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 ~ | 45% | 4,796,000円 |
※課税所得金額が250万円であれば、250万円×10%-97,500円=152,500円となります。
8,550円×2.1%=179円(小数点以下切り捨て)
8,550円+179円=8,729円
18,800円
8,729円-18,800円=△10,071円
→申告納税額がプラスの場合は、納める税金
→申告納税額がマイナスの場合は、還付される税金
還付の場合
還付先の情報を忘れずに記載しましょう。
まとめ
バイトの確定申告は、源泉徴収票に基づいて作成すれば、思ったよりも簡単に作成ができると思います。
追加する控除の種類が増えると少し難しくなりますが、申告書作成ソフトなどを使えば計算をする必要がなく、確定申告書を作成できるので間違うことが極端に減ります。
バイトでも確定申告をしなくてはならない場合や、した方がいい場合がありますので、最初は面倒でも慣れれば簡単に作成できますので挑戦してみてください。
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