生命保険料控除 所得税と住民税の違い⁉

基礎知識
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「年末調整や確定申告で生命保険料控除を入れたけど住民税の通知で控除額が違うけど正しいの?」

「所得税と住民税では生命保険料控除の上限額に違いはあるの?」

所得税と住民税で控除額が違うと間違っているのではないかと不安になってしまいます。

この記事では所得税と住民税の生命保険料控除の違いについてわかりやすく解説します。

 この記事は数千件以上の確定申告書(住民税申告書を含む)の作成経験と住民税の課税経験のある「とらまね」が解説します。
 この記事を読んでわかること
・所得税と住民税の控除額の違いについて
・生命保険料控除の計算方法について
・生命保険料控除の上限額について

所得税と住民税の控除額の違いについて

所得税と住民税では生命保険料控除の計算方法が違いますので控除額が異なっていることが多いです。

では、具体的な計算方法について見ていきましょう!

まず、生命保険料控除は5つの種類がありますので押さえておきましょう。

・旧生命保険料(一般)
・旧個人年金保険料
・新生命保険料
・新個人年金保険料
・介護医療保険料

これらの区別はご加入の生命保険会社から発行される「生命保険料の控除証明書」にそれぞれ記載があります。

※「旧」は平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に基づく保険料を指します。
※「新」は平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に基づく保険料を指します。

所得税の生命保険料控除の計算方法について

<旧生命保険料(一般)・旧個人年金保険料>

支払った保険料控除額
2万5,000円以下支払った保険料額
2万5,000円超~5万円以下支払った保険料額×0.5+1万2,500円
5万円超~10万円以下支払った保険料額×0.25+2万5,000円
10万円超一律5万円

<新生命保険料(一般)・新個人年金保険料・介護医療保険料>

支払った保険料控除額
2万円以下支払った保険料額
2万円超~4万円以下支払った保険料額×0.5+1万円
4万円超~8万円以下支払った保険料額×0.25+2万円
8万円超一律4万円

支払った生命保険料の種類・金額に応じて控除額の計算を行います。

住民税の生命保険料控除の計算方法について

<旧生命保険料(一般)・旧個人年金保険料>

支払った保険料控除額
1万5,000円以下支払った保険料額
1万5,000円超~4万円以下支払った保険料額×0.5+7,500円
4万円超~7万円以下支払った保険料額×0.25+1万7,000円
7万円超一律3万5,000円

<新生命保険料(一般)・新個人年金保険料・介護医療保険料>

支払った保険料控除額
1万2,000円以下支払った保険料額
1万2,000円超~3万2,000円以下支払った保険料額×0.5+6,000円
3万2,000円超~5万6,000円以下支払った保険料額×0.25+1万4,000円
5万6,000円超一律2万8,000円

支払った生命保険料の種類・金額に応じて控除額の計算を行います。

控除額の違いについて

上記の表に当てはめて計算すると以下のとおり違いがわかります。

【例1】旧生命保険料の支払額が1万円の場合

(所得税)
支払った保険料が2万5,000円以下であるため、支払った額が控除額となります。
よって、控除額は「1万円」です。

(住民税)
支払った保険料が1万5,000円以下であるため、支払った額が控除額となります。
よって、控除額は「1万円」です。

「【例1】」の場合は違いがないケースとなります

【例2】新生命保険料の支払額が5万円の場合

(所得税)
支払った保険料が4万円超~8万円以下に該当するので、
5万円×0.25+1万7,000円=2万9,500円が控除額となります。

(住民税)
支払った保険料が3万2,000円超~5万6,000円以下に該当するので、
5万円×0.25+1万4,000円=2万6,500円が控除額となります。

「【例2】」の場合、所得税と住民税の控除額に3,000円の差が生じました
このように、所得税と住民税では計算式が異なるため、控除額に違いが発生します

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生命保険料控除額の上限について

生命保険料控除は一定の額を支払った場合、控除額は頭打ちなります。

計算方法についての表に記載のとおり一定の保険料額を支払ったら一律○○円となります。
しかし、5種類すべての保険料を一定額以上払ったとしても単純に合計すればいいわけではありません。

所得税の場合で、5種類すべての保険料を15万円支払ったので、5万円+5万円+4万円+4万円+4万円=22万円の控除が受けられる。は間違いになります

旧制度と新制度の両方を支払っている場合

次の上限額が適用されます。

(所得税)
旧制度が4万円超の控除額:旧制度の控除額のみ使用する(上限5万円)
旧制度が4万円以下の控除額:新制度と旧制度の控除額を合算して使用する(上限4万円)

【例1】旧制度4万5,000円、新制度3万5,000円
☞旧制度が4万円超のため、控除額は4万5,000円となります。

【例2】旧制度3万円、新制度3万円
☞旧制度が4万円以下のため、控除額を合算して6万円となるが、上限が4万円のため、控除額は4万円となります。

(住民税)
旧制度が2万8,000円超の控除額:旧制度の控除額のみ使用する(上限3万5,000円)
旧制度が2万8,000円以下の控除額:新制度と旧制度の控除額を合算して使用する(上限2万8,000円)

旧制度と新制度、介護医療保険制度のすべてを支払っている場合

5種類すべての生命保険料を支払っている場合、
所得税の上限額は12万円、住民税の上限額は7万円となります。

すべての種類の生命保険料の支払いを行っていて、それぞれ多額の金額を支払っていたとしても所得税12万円、住民税7万円になるということです。

まとめ

生命保険料控除の所得税と住民税の違いについて解説しました。

違いは、いたって単純な話で、計算式(計算方法)が違うからです。計算についても、表に当てはめればできるものなので、是非ご自身の生命保険料控除を計算してみてください(上限額には注意してください)。

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