個人住民税が非課税になる法律はどの法の何条?非課税の根拠を解説

非課税根拠 住民税
当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。
個人住民税は、どの法律で非課税の基準を決めているのか、なかなかさがしても見つかりません。
それは、一つの法だけで決まっている訳ではなく、複数の法律によって定まっているからです。
この記事では、個人住民税が非課税になる法律について条文を掲載し、詳しく解説します。
この記事は数千件以上の確定申告書(住民税申告書を含む)の作成経験と住民税の課税経験のある「とらまね」が解説します。
 この記事を読んでわかること
・個人住民税が非課税になる法律について
・個人住民税が非課税になる根拠法令
スポンサーリンク

個人住民税が非課税になる法律について

根拠法令

個人住民税が非課税になることが記載されている法律は、いくつかに分かれて記載されています。

地方税法第295条(個人の市町村民税の非課税の範囲)

地方税法第295条の条文については、以下のとおりです。

第二百九十五条 市町村は、次の各号のいずれかに該当する者に対しては市町村民税(第二号に該当する者にあつては、第三百二十八条の規定により課する所得割(以下「分離課税に係る所得割」という。)を除く。)を課することができない。ただし、この法律の施行地に住所を有しない者については、この限りでない。

一 生活保護法の規定による生活扶助を受けている者
二 障害者、未成年者、寡婦又はひとり親(これらの者の前年の合計所得金額が百三十五万円を超える場合を除く。)
2 分離課税に係る所得割につき前項第一号の規定を適用する場合における同号に掲げる者であるかどうかの判定は、退職手当等の支払を受けるべき日の属する年の一月一日の現況によるものとする。
3 市町村は、この法律の施行地に住所を有する者で均等割のみを課すべきもののうち、前年の合計所得金額が政令で定める基準に従い当該市町村の条例で定める金額以下である者に対しては、均等割を課することができない。
引用:地方税法

第1項第1号

「生活保護法の規定による生活扶助を受けている者」となっています。

これは、生活保護を受給すると非課税になるということです。

第1項第2号

「障害者、未成年者、寡婦又はひとり親(これらの者の前年の合計所得金額が百三十五万円を超える場合を除く。)」

これは、障害者、未成年者、寡婦又はひとり親に該当する場合、前年の合計所得金額が135万円以下であれば非課税になるということです。

第3項

「市町村は、この法律の施行地に住所を有する者で均等割のみを課すべきもののうち、前年の合計所得金額が政令で定める基準に従い当該市町村の条例で定める金額以下である者に対しては、均等割を課することができない。」

これは、前年の合計所得金額が政令で定める基準市町村の条例で定める金額との記載があるため、それぞれを確認する必要があります。

地方税法施行令第47条の3(法第二百九十五条第三項の政令で定める基準)

地方税法施行令第47条の3の条文については、以下のとおりです。

第四十七条の三 法第二百九十五条第三項に規定する政令で定める基準は、次のとおりとする。

一 法第二百九十五条第三項の市町村の条例で定める金額は、当該条例で基本額として定める一定金額に、同項に規定する法の施行地に住所を有する者の同一生計配偶者及び扶養親族(年齢十六歳未満の者及び法第三百十四条の二第一項第十一号に規定する控除対象扶養親族に限る。以下この号において同じ。)の数に一を加えた数を乗じて得た金額に、十万円を加算した金額(その者が同一生計配偶者又は扶養親族を有する場合には、当該金額に当該条例で加算額として定める一定金額を加算した金額)とするものとすること。
二 前号の基本額として定める一定金額は、三十五万円を超えない範囲内において、三十五万円に、生活保護法第八条第一項の規定により厚生労働大臣が定める保護の基準における地域の級地区分(前年の十二月三十一日における地域の級地区分とする。)ごとに、総務省令で定める世帯につき前年において同法第十一条第一項第一号から第三号までに掲げる扶助に要した費用として算定される金額を勘案して総務省令で定める率で、当該市町村が同日において該当した当該地域の級地区分に係るものを乗じて得た金額を参酌して定めるものとすること。
三 第一号の加算額として定める一定金額は、二十一万円を超えない範囲において、二十一万円に、前号に規定する総務省令で定める率で当該市町村が前年の十二月三十一日において該当した同号に規定する地域の級地区分に係るものを乗じて得た金額を参酌して定めるものとすること。
引用:地方税法施行令
スポンサーリンク

第1号

市町村の条例で定める基本額に、同一生計配偶者及び扶養親族の数に1を加えた数を乗じ、10万円を加算した金額とされています(扶養親族等がいる場合、条例で定める一定金額を加算)。

例題を挙げると以下のとおりです。

(事例1)
基本額:35万円
配偶者:0人
扶養親族:0人
35万円+10万円=45万円

(事例2)
基本額:35万円
加算額:21万円
配偶者:1人
扶養親族:2人
35万円×4+21万円+10万円=171万円

第2号

基本額は、生活保護の級地区分に応じて35万円を超えない範囲で設定することとされています。

(参考)
1級:35万円
2級:32万円
3級:28万円
※級地とは生活保護の級地制度で、地域の生活水準の差を生活保護基準に反映させるための制度のことで、各地域を1~3級に区分しています。

第3号

同一生計配偶者又は扶養親族を有する場合の加算額は、生活保護の級地区分に応じて21万円を超えない範囲で設定することとされています。

(参考)
1級:21万円
2級:18.9万円
3級:16.8万円

市町村条例について

最終的には、市町村の条例において非課税となる基準が設けられています。

【例えば、このような条文です】
法の施行地に住所を有する者で均等割のみを課すべきもののうち、前年の合計所得金額が35万円にその者の同一生計配偶者及び扶養親族(年齢16歳未満の者及び控除対象扶養親族に限る。)の数に1を加えた数を乗じて得た金額に10万円を加算した金額(その者が同一生計配偶者又は扶養親族を有する場合には、当該金額に21万円を加算した金額)以下である者に対しては、均等割を課さない。

上記の条文では、地方税法施行令第47条の3第1項第2号の基本額が、35万円です。

また、地方税法施行令第47条の3第1項第3号の加算額が、21万円となります。

お住まいの市町村の税条例で確認する必要があります。

まとめ

地方税法、地方税法施行令、市町村税条例を確認することで、非課税の基準を確認することが可能です。

地方税法であれば、「生活保護を受けた方」と「障害者、未成年者、寡婦又はひとり親に該当する場合、前年の合計所得金額が135万円以下」の場合に非課税であると確定できます。

この場合は、地方税が根拠となります。

一方、所得に応じて非課税になる場合は、最終的には市町村税条例を見なければ所得の金額がわかりません。

つまり、所得に応じて非課税になる場合については、地方税法、地方税法施行令、市町村税条例のそれぞれが根拠となります。

住民税
スポンサーリンク
とらまねをフォローする

コメント