年末調整で年金受給者の書き方は?年末調整は必要?

年金受給者の年末調整の書き方は? 年末調整
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年金を受給し始めても、現役で働いている人が増えてきました。

それに伴い、年金受給者でも年末調整を行うことが増えてきていますが、年金を受給してからの年末調整の書類の書き方がわからない方も多いと思います。

また、年末調整はした方がいいのか、年末調整をしたことによって確定申告の際に所得税を支払うことになる場合などについて、詳しく解説します。

この記事は数千件以上の確定申告書(住民税申告書を含む)の作成経験と住民税の課税経験のある「とらまね」が解説します。
 この記事を読んでわかること
・年末調整で年金受給者の書き方
・年金受給者は年末調整は必要か
・年末調整をすることによる影響

年末調整で年金受給者の書き方

年金受給者の年末調整の書き方は?

これまでも働いてきて、年末調整を何度も行ったことがある方でも、年金を受給し始めた際の年末調整の経験がないと思います。
しかし、年金を受給したからといって、年末調整の書き方は大きく変わることはありません。
まず、年末調整の際に年金の金額を含むことはできません
つまり、これまでどおり給与の収入で年末調整を行うことになりますが、注意すべき点がありますので次の内容をチェックしてください。

年金受給者が年末調整の際に気を付ける点

・給与所得者の基礎控除申告書に年金の所得を記載する
・年金から天引きしている社会保険料控除を記載しない

給与所得者の基礎控除申告書に年金の所得を記載する

「給与所得者の基礎控除申告書」に「給与所得以外の所得の合計額」を記載する欄があります。

その名のとおり給与所得以外の所得を記載することになりますので、年金の所得が対象となります。

給与の所得と年金の所得を合算して基礎控除と配偶者控除(配偶者特別控除)を算出するためです。

また、誤りやすい点としては、年金の「収入」ではなく、年金の「所得」を記載しなければならいということです。

年金の所得計算方法は下表のとおりです。

年齢 公的年金等の収入金額(A) 所得金額
65歳未満 1円 60万円以下 0円
60万円超 130万円未満 (A)-60万円
130万円 410万円未満 (A)×0.75-27.5万円
410万円 770万円未満 (A)×0.85-68.5万円
770万円 1,000万円未満 (A)×0.95-145.5万円
1,000万円 (A)-195.5万円
65歳以上 1円 110万円以下 0円
110万円超 330万円未満 (A)-110万円
330万円 410万円未満 (A)×0.75-27.5万円
410万円 770万円未満 (A)×0.85-68.5万円
770万円 1,000万円未満 (A)×0.95-145.5万円
1,000万円 (A)-195.5万円

【計算例】

65歳以上で110万円以下であれば所得は0円です。

65歳以上で330万円未満であれば110万円を引いた金額が所得となります。
※年金収入250万円なら250万円-110万円=140万円が所得です。

年金から天引きしている社会保険料控除を記載しない

年金収入に係る分は、基本的には確定申告により申告を行うことになります。

確定申告の際は、給与の源泉徴収票と年金の源泉徴収票を使い、確定申告書を作成することになります。

年金の源泉徴収票には、天引きされている社会保険料控除が記載されており、その内容を確定申告書に記載することになります。

年末調整の際に、年金から天引きされている社会保険料は絶対に入れてはいけないものではないですが、入れることによって確定申告の際に重複で控除してしまう可能性があるので、基本的には入れない方がいいでしょう。

重複で社会保険料控除を入れて計算すると、所得税と住民税が通常よりも安くなってしまい、脱税している状態になるので、注意しましょう。

年金受給者は年末調整は必要か

そもそも年金受給者は年末調整が必要なのでしょうか。

基本的には、確定申告をする前提であれば年末調整は不要となります。

年末調整とは所得税の精算を行う手続きです。また、確定申告も所得税の精算を行う手続きです。

つまり、年金収入があることによって、年末調整をしてもしなくても確定申告を行う方は、年末調整をしなくても問題がないことになります。

年末調整を行わない場合は、会社に年末調整をしない(未年調)ことを報告しましょう。

年金収入が少なく、確定申告が不要である方は必ず年末調整を行いましょう。

年末調整をすることによる影響

年金受給者の年末調整の書き方は?

年金受給者が年末調整をすることによる影響について解説します。

年金受給者が年末調整をすることによって、確定申告をする際に所得税を納めなくてはならない(追徴)ことが高確率であります。

大抵の方は確定申告をすることで還付金を貰えるというイメージがあると思いますので、確定申告をして追徴になることで驚く方が多くいます。

よって、年金を受給している方で年末調整をしている方は、確定申告の際に所得税を納める可能性がある前提で申告書を提出しましょう。

【追徴になる理由】
年末調整によって給与に係る分の所得税の精算が行われるため、その際に大抵の場合は所得税が戻ってきます。直接還付されるわけではなく、12月などの給与の支給の際に調整されます。

年末調整の際には必要な控除も提出して所得税の計算を行いますので、所得税が戻ってきて、その状態で年金の所得を合わせて確定申告をすると、年金の所得が加算され、追徴になりやすい状態になります。

もちろん、年末調整をしたからといって納める所得税が多くなるわけではありません。

年末調整をすると、所得税が戻ってきて、確定申告の際に支払う、年末調整をしないと、確定申告の際に払い過ぎた所得税が戻ってくることになり、最終的に支払う所得税は変わりません。

まとめ:年末調整で年金受給者の書き方は?年末調整は必要?

年金受給者が年末調整を行う際には、年金の所得を記載するなどの注意点を押さえて置けば、通常の年末調整と記載方法に変更はありません。

また、年金の所得は年末調整できないため、基本的には確定申告を行うことになりますので、年末調整をしなくても問題ありません。

なお、年末調整してから確定申告をすると所得税が追徴になる可能性が高いので、確定申告の際に還付金を受けたい場合は、年末調整をせず確定申告をすると良いでしょう。

ただし、年末調整をしてもしなくても、最終的な所得税の金額に変わりはありません。

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