企業年金は申告が必要?申告が必要な場合と不要な場合を詳しく解説!

確定申告
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「企業年金を貰っているけど申告は必要なの?」
「年金って申告不要と聞いているけど本当なの?」

企業年金は、所得税が多めに引かれていることが多いため、「申告をした方がいい」といえる方が多いです。
一方で、年金所得は「申告不要制度」があるので、「申告をしなくても問題ない」ということがほとんどです。

では、「自分はどうしたらよいのか?」との疑問を解決できるよう、申告をした方がいい場合と、申告をしなくてもいい場合について詳しく解説します。

 この記事は数千件以上の確定申告書(住民税申告書を含む)の作成経験と住民税の課税経験のある「とらまね」が解説します。
 この記事を読んでわかること
・年金の申告不要制度の内容
・企業年金を申告した方がいい場合
・企業年金を申告しなくてもいい場合
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年金の申告不要制度の内容

公的年金等の収入金額が400万円以下、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下」の場合、所得税の確定申告をする必要はありません。
これは、平成23年に創設された「確定申告不要制度」によるものです。

公的年金等とは、一般的な基礎年金や厚生年金、共済年金、そして、企業年金が含まれています。

この申告不要制度あるため、年金所得者は申告しなくてもいいと、広く知られています。

企業年金を申告した方がいい場合

企業年金を申告した方がいい場合はどのような状況なのか確認していきましょう。

所得税が多く天引きされている場合

企業年金は、年金の振込時に所得税が天引き(源泉徴収)されます。
税率は、所得税7.5%と復興特別所得税2.1%
合わせて7.5%×1.021=7.6575%

常に、7.6575%を源泉徴収されますので、所得税の税率が5%の方は引かれ過ぎとなり、申告することでその差額分を取り戻すことができます

所得税は累進課税制度で5%~45%の税率があります。
税率は、課税所得金額によって決まり、課税所得金額における税率は下表のとおりです。

課税される所得金額 税率 控除額
        1,000円 ~   1,949,000円 5% 0円
  1,950,000円 ~   3,299,000円 10% 97,500円
  3,300,000円 ~   6,949,000円 20% 427,500円
  6,950,000円 ~   8,999,000円 23% 636,000円
  9,000,000円 ~ 17,999,000円 33% 1,536,000円
18,000,000円 ~ 39,999,000円 40% 2,796,000円
40,000,000円 ~ 45% 4,796,000円

課税所得金額が195万円未満であれば税率が5%だということがわかります。

なお、課税所得金額の算出方法や確認方法については次の記事をご覧ください。
課税所得金額はどこを見ればわかる?各帳票の記載箇所を解説!

ご自身の税率を確認し5%であれば申告して還付金を受けられる可能性が高いので、申告することをお勧めします。
なお、申告の結果、逆に追徴(所得税を払う)という結果になった場合は確定申告書を提出しなければ問題ありません(申告不要制度の場合)。
※税務署に行って確定申告書を作成してもらっても、申告はしなくていいと税務署の職員にも言われると思います。

各種控除がある場合

申告をすることで所得税及び住民税の控除を受けられる控除があります。
その控除を入れて申告することで還付金が発生したり、住民税が減額になることがあります。

【申告しないと控除として認められないもの(一例)】
・医療費控除
・社会保険料控除(年金や給与から天引きされていないもの)
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・寄附金控除(ワンストップ特例を除く)
企業年金を申告する場合には、自分が貰っているすべての収入を申告する必要があります。
例えば、企業年金と基礎年金、厚生年金、給与の収入があればそのすべて申告を行います。
「企業年金だけ申告をする」ということはできません。
これらの収入の申告をする際に、合わせて控除の申告も行います。
そして、申告を行った際に還付金が出るようであれば申告を行った方が良いということになります。
【事例1】
・企業年金を含む公的年金収入あり
・医療費控除や生命保険料控除あり
これらの条件で確定申告書を作成したときに還付金が出る場合は申告を行った方が良いです。
なお、確定申告書を提出すれば自動的に住民税の申告をしたことにもなるため、住民税の課税の際にも控除が反映されます。
【事例2】
・企業年金を含む公的年金収入あり
・医療費控除や生命保険料控除あり
これらの条件で確定申告書を作成したときに追徴(所得税を払う)になった場合、確定申告書は提出しないで住民税申告書を提出します。
確定申告書を作成して還付金が出るようであればそのまま確定申告書を提出します。
確定申告を作成して追徴になるようであれば、確定申告書ではなく住民税申告書を提出します。
≪住民税申告書を提出する理由≫
住民税申告書はお住いの市区町村に提出する申告書(税務署には提出できません)で、確定申告書と似た内容の申告書です。
この住民税申告書は、翌年度の住民税の課税の計算に反映されます。
つまり、確定申告で追徴となり確定申告書を提出しなかった場合、医療費控除など申告をしないと控除として認められないものは住民税の計算でも控除がされません。
そこで、所得税には影響のない住民税申告書で医療費控除などを申告することで控除が認められ、結果、翌年度の住民税が安くなります。

企業年金を申告しなくてもいい場合

ここからは、企業年金を申告しなくてもいい場合の状況を確認していきます。

所得税が追徴で追加する控除がない

申告不要制度に該当し、確定申告書を作成(所得税の計算)した時、所得税が追徴になり、かつ、申告で追加する控除がない場合は申告をする必要はありません。

この状態で申告をしてしまうと、単純に無駄な所得税を納めなくてはならないので申告は不要であり、もちろんペナルティもありません。

「申告不要制度に該当していれば所得税の申告はする必要ないが住民税の申告も不要なの?と思われる方もいると思います。
企業年金については、支払者から各市区町村に年金の収入額等の情報を送付することになっているため、申告をする必要はありません。
※申告をしてもしなくても市区町村は年金の収入額等をしっかり把握しているということです。

所得税が追徴で住民税が非課税の場合

企業年金を含めたすべての収入を基に計算した結果、所得税が追徴、住民税が非課税であれば申告をする必要はありません。

所得税については、申告不要制度が使える前提となりますが、申告不要制度を使って申告を行わないことができます。

住民税については、非課税との前提ですので、いくら控除を追加しても住民税に影響はありません。
※控除は所得や税額を下げるものなので、税額が0円の場合使うことはできません。

まとめ

企業年金をもらう多くの人は、年金収入のみことが多く、その年金額は400万円以下であるため申告不要制度が使える方が多いです。

しかし、年金収入のみ場合、所得税の税率が5%の方がほとんどあり、企業年金で天引きされている税率である7.5%より低いです。
つまり、所得税を納めすぎている状態となることから申告することで還付になる人がほとんどです。

年に1回の確定申告なので、納めすぎた税金を取り戻すため忘れずに申告を行いましょう。

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