令和6年度から新たに課税される森林環境税ですが、
「誰が課税の対象者(支払い義務がある)なのか?」
「非課税になる基準などはあるのか?」 と疑問をお持ちかと思います。
この記事では、森林環境税の課税対象者は誰になるのか、そして、森林環境税が非課税となる非課税基準について、詳しく解説します。
森林環境税の課税対象者について
森林環境税は、国税となりますが住民税の均等割と一緒に市区町村が徴収するものです。
税額は1人当たり1,000円となります。
課税対象者は、「日本国内に住所を有する個人」となります。
では、課税対象にある人が全員支払う必要があるのかというと、そうではありません。
課税対象者としては、「日本国内に住所を有する個人」となりますが、その中で非課税の基準の範囲内になる方は支払う必要がありません。
課税対象者でも、非課税の基準内であれば非課税となるため、支払いの義務は生じなくなります。
森林環境税の非課税基準について
森林環境税の非課税基準は以下のとおりです。
・賦課期日(1月1日)現在、障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で前年の合計所得金額が135万円以下
・合計所得金額が下表の金額以下
級地 | 単身者 | 扶養親族がいる場合 |
1級地 | 45万円 | 35万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族の数)+31万円 |
2級地 | 42万円 | 32万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族の数)+28.9万円 |
3級地 | 38万円 | 28万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族の数)+26.8万円 |
ここに記載している金額は所得金額です。 収入金額ではないので間違わないように注意してください。
「収入と所得の違い 5つの所得の計算方法について」
森林環境税の非課税基準は個人住民税の非課税基準と基本的には同じになります。
つまり、住民税が非課税の方は森林環境税も非課税になるということです。
森林環境税の非課税基準は、住民税の非課税基準の法令を参考に定めているので、基本的には一致することになります。
しかし、住民税の非課税基準は市区町村が条例によって定めているものなので、市区町村独自の基準を設定していることがあります。
この場合、森林環境税の非課税基準とは一致せず、例えば、住民税は非課税だけど森林環境税だけ課税されるといったことも起こり得ることになります。
森林環境税とは
そもそも森林環境税はなぜ必要で、新設されることになったのでしょうか。
森林環境税の創設の背景について
そして、パリ協定の枠組みの下における我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成などの観点から、平成31年3月に「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」が成立し、「森林環境税」及び「森林環境譲与税」が創設され、令和6年度から森林環境税が課税されることになりました。
森林環境税の使途について
森林環境税(森林環境譲与税)は何に使われる?
森林環境税は令和6年度から徴収されますが、森林環境税の使い道である森林環境譲与税は令和元年度より各自治体に配分されています。
この森林環境譲与税の使途は「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」によって定められています。
主な取り組み内容としては、「間伐等の森林整備関係」を行っている市町村が一番多く、「木材利用・普及啓発」、「人材育成・担い手の確保」など取り組みが挙げられます。
森林環境譲与税の活用額としても、取り組み内容と同様に「間伐等の森林整備関係」を行っている市町村が一番多く、「木材利用・普及啓発」、「人材育成・担い手の確保」に活用されています。
森林環境税と森林環境譲与税の仕組み
森林環境税は、個人住民税均等割と併せて1,000円を市区町村が賦課徴収するものですが、その賦課徴収した「森林環境税」は「森林環境譲与税」として各市町村に配分されます。
森林環境譲与税は、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律に基づき、市町村においては、間伐等の「森林の整備に関する施策」と人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の「森林の整備の促進に関する施策」に充てることとされており、市町村と都道府県に対して、私有林人工林面積、林業就業者数及び人口による客観的な基準で按分して配分されます。
まとめ
森林環境税の課税対象者は、「日本国内に住所を有する個人」となります。
日本に住んでいる全員が課税対象者となりますが、非課税基準の範囲内であれば課税されることはありません。
森林環境税の非課税基準は、住民税の非課税基準と基本的には一致するため、住民税が非課税であれば森林環境税も非課税となります。
つまり、これまで住民税が課税されていなかった方は、森林環境税が課税されることはありませんので、安心してください(一部例外あり)。
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