育休中や産休中に定額減税は対象になる?対象になる場合について解説

定額減税 時事ネタ
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育休中や産休中では、給与の収入がありませんので定額減税の対象にならないような気がしますが、定額減税の対象となる場合があります。
もし、定額減税の対象とならなくても、誰かに扶養されていれば、扶養者が定額減税の恩恵を受けることができます。
さらに、非課税の世帯であれば給付金の対象になる可能性もあり、何かしらの恩恵を受けれる可能性があります。
この記事は、育休中や産休中の場合に定額減税の対象となる場合や対象となった場合の控除のされ方、また、対象とならない場合の措置について詳しく解説します。
この記事は数千件以上の確定申告書(住民税申告書を含む)の作成経験と住民税の課税経験のある「とらまね」が解説します。
 この記事を読んでわかること
・育休中や産休中に定額減税の対象となる場合
・育休中や産休中に定額減税の対象とならない場合
・定額減税補足給付金(調整給付)について
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育休中や産休中に定額減税の対象となる場合

育休・産休

育休や産休になるタイミングによって定額減税の対象になるかが決まります。

所得税と住民税に分けて、それぞれ解説します。

所得税の定額減税の対象となる場合について

所得税の定額減税は、令和6年6月の最初にもらう給与やボーナスから減税されます。

つまり、この給与やボーナスが支給された後から、育休や産休に入れば定額減税を受けられることになります。

例えば、7月から育休や産休に入った場合、6月の給与から天引きされる所得税に対して減税措置が行われます。

8月から育休や産休に入った場合、6月と7月の給与から天引きされる所得税に対して減税措置が行われます。

このように所得税が発生していれば定額減税を受けることができます。

しかし、1ヶ月や2ヶ月であれば定額減税される額が少ないのでは?とお考えになると思います。

まず、定額減税し切れなかった分は年末調整により精算されます。
それでも余った場合は市町村から調整給付として給付金が支給されます。

住民税の定額減税の対象となる場合について

住民税の定額減税は、令和6年度の住民税が課税されるタイミングで減税措置が行われます。

令和6年度の住民税が課税されるようであれば、定額減税の対象となる可能性が高いです。

令和6年度の住民税は、令和5年1月~12月までの収入や控除などによって課税されます。

つまり、現在育休や産休中であっても、令和5年中に住民税が課税されるだけの収入があれば、令和6年度の住民税が課税され、この課税に伴って定額減税が実施されることになります。

定額減税の対象となる条件について

所得税の対象者の条件

〇令和6年分の合計所得金額1,805万円以下
〇令和6年中に所得税が発生している

【合計所得金額1,805万円とは?】
給与収入なら2,000万円
年金収入なら2,000.5万円
営業収入なら○○○○万円-経費=1,805万円
※収入と所得の考え方は住民税も同様です。

【令和6年分の合計所得金額とはいつの収入?】
所得税でいう令和6年分の収入は、令和6年1月~12月の収入を指します。

住民税の対象者の条件

〇令和6年度分の合計所得金額1,805万円以下
〇令和6年度の住民税が課税されている

【令和6年度分の合計所得金額とはいつの収入?】
住民税でいう令和6年度分の収入は、令和5年1月~12月の収入を指します。
※住民税は翌年度課税であるため

定額減税の減税額について

定額減税の減税額は、所得税と住民税で金額の違いあります。

所得税

・本人3万円
・同一生計配偶者又は扶養親族1人につき3万円

扶養親族が2人いれば、本人3万円+扶養親族2人×3万円=9万円となります。

住民税

・本人1万円
・控除対象配偶者又は扶養親族1人につき1万円

扶養親族が2人いれば、本人1万円+扶養親族2人×1万円=3万円となります。

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育休中や産休中に定額減税の対象とならない場合

産休・育休

所得税の場合、令和6年中に収入が全くなければ定額減税の対象とはなりません。

令和6年中に収入がないということは、令和6年分の所得税が「0円」であるため、定額減税の対象とならないことになります。

住民税の場合、令和6年度に住民税が課税されていなければ定額減税の対象とはなりません。

令和6年度の住民税が課税される場合は、令和5年中に一定の所得があった時になります。
よって、令和5年以前から休みに入っていれば住民税は課税されません。

では、「定額減税の対象にならなかったら損をするのか」と疑問になります。

ご自身が定額減税を受けれなくても、何らかの措置で恩恵を受けることができます。

扶養者が定額減税の対象

ご自身が定額減税の対象になっていない場合、自分を扶養している扶養者が定額減税の対象となります。

扶養者は扶養している人数分の定額減税を受けることができます。
定額減税の金額も本人が受ける場合と同様で、扶養親族1人あたり所得税3万円、住民税1万円です。

本人が定額減税の対象とならなくても、扶養者がその恩恵を受けれるということです。

非課税世帯への給付金

令和5年度に非課税世帯(低所得世帯)への給付金として、7万円+3万円=10万円の給付が行われました。

また、令和5年度にこの給付金の対象とならず(課税だったため)、令和6年度に非課税になった場合は、非課税世帯への給付金として10万円の給付を受けることができます。

つまり、定額減税が本人が受けれず、扶養されてもいない場合、このような給付金として給付されることになります。

定額減税補足給付金(調整給付)について

年の途中から育休や産休に入ると、年収が少なくなるため税金の金額も少なくなります。

そうなった場合、定額減税の減税額の全額を控除し切れない場合が出てきます。

このように定額減税では控除し切れないことがわかれば、定額減税補足給付金(調整給付)として給付金を受け取ることができます。

令和5年分の所得税と令和6年度分の住民税と扶養の状況に応じて、市町村が定額減税し切れない方を対象に調整給付を行います。

本来は、令和6年分の所得税で計算するものですが、令和5年分の所得税を令和6年分の所得税として、見込みで計算して調整給付を行うものとなります。

さらに、この見込での調整給付や調整給付を受けておらず、定額減税で引き切れなかった税額がある場合、追加給付が行われます。

令和6年分の年末調整や確定申告が終わった確定値を使用して、定額減税が引き切れたかの再計算を行い、引き切れなかった分を追加で給付を行うことになります。

調整給付については、次の記事で詳しく解説していますので、興味があればご覧ください。
定額減税の調整給付とは?定額減税で引ききれない場合の給付金を解説

まとめ

育休中や産休中であっても、定額減税の対象となる場合はあります。

全額が定額減税の対象とならない場合は、調整給付として給付が行われます。

定額減税の対象とならない場合であっても、扶養者が定額減税を受けられることや、非課税世帯として給付金を受け取ることができます。

ご自身がどのパターンに該当するのかを確認して、もらい忘れがないように市町村の通知などを確認しましょう。

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