住民税はどうやって決まる?住民税の計算について解説

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住民税は、自分で納付することもあれば、給与や年金から天引きされることもあります。
そして、その負担は決して軽いものではなく、支払いが大変ですよね。
では、この住民税はどうやって決まるのかが気になるところです。
この記事では、どのように住民税決まっていくのかを詳しく解説します。
この記事は数千件以上の確定申告書(住民税申告書を含む)の作成経験と住民税の課税経験のある「とらまね」が解説します。
 この記事を読んでわかること
・住民税はどうやって決まるのか
・住民税の計算方法について

住民税はどうやって決まるのか

住民税どうやって決まる

住民税は、1月1日が賦課期日となります。
1月1日にお住いの市区町村が課税することになります。

また、住民税は前年の収入と控除によって算出されます。

収入と控除について詳しく見ていきましょう。

例えば、令和6年度の住民税の課税額は次の要件で決まります。

〇収入
令和5年1月1日~令和5年12月31日に得た収入
この収入はあくまでも支給された日で考えますので、令和4年12月に働いた分を令和5年1月に貰った場合は、令和5年中の収入として計算されます。
※通勤にかかる交通費は非課税所得となるので、計算には含めません。
〇控除
・支払った分の控除
社会保険料控除や生命保険料控除、地震控除、寄附金控除(ふるさと納税)、医療費控除などを支払った場合は控除の対象となります。
これらの控除は、収入と同じく令和5年1月1日~令和5年12月31日までに支払った分が令和6年度の住民税の課税の計算の際に使われることになります。
・扶養等の控除
配偶者控除や扶養控除、障害者控除、ひとり親控除などは12月31日時点で判定します。
令和6年度課税の住民税で考えると令和5年12月31日時点となります。
なお、配偶者控除や扶養控除、ひとり親控除などは所得制限があり、その所得も収入の場合と同様に、前年の1年間の所得で判定します。

住民税の対象となる収入とは?

基本的に自身が得る収入は住民税の課税の対象となります。

例を挙げると以下のとおりです。

・給与収入
・年金収入
・営業収入
・農業収入
・配当収入
・株式を売ることによる収入
・建物や土地を売ることによる収入
・不動産収入
・個人年金の収入
・生命保険の満期・解約で発生する収入

※これらのほかにも収入はあります

住民税の対象となる控除とは?

控除は所得控除と税額控除に分かれています。
所得控除は「所得」から引く控除で、税額控除は「税額」から引く控除です。

所得控除

住民税の所得控除と控除額は下表のとおりです。

控除の種類 控除額
社会保険料控除 支払額全額
小規模企業共済等掛金控除 支払額全額
生命保険料控除 最高7万円
地震保険料控除 最高2万5千円
寡婦控除 26万円
ひとり親控除 30万円
勤労学生控除 26万円
障害者控除 普通障害 26万円
特別障害 30万円
特別障害(同居加算込み) 53万円
配偶者控除 一般 最高33万円
老人 最高38万円
配偶者特別控除 最高33万円
扶養控除 一般 33万円
特定 45万円
老人 38万円
老人(同居加算込み) 45万円
基礎控除 最高43万円
雑損控除 一定の計算に基づく
医療費控除 一定の計算に基づく

住民税の税額控除

住民税の税額控除と控除額は次のとおりです。

・配当控除
・寄附金控除
・住宅借入金等特別控除
・配当割額
・株式譲渡所得割額
・外国税額控除
・調整控除

住民税の計算方法について

住民税はどうやって決まる

住民税の計算方法について概要を解説します。

住民税は次に記載する順序で計算し算出します。

<住民税額算出までのステップ>

1.収入を確認する
2.収入から所得を算出する
3.所得控除を算出する
4.課税所得金額を算出する
5.所得割額を算出する
6.税額控除を算出する
7.所得割額(税額控除後)を算出する
8.均等割額を加算する

収入を確認する

まずは自分の得ている収入の種類を確認します。
収入の種類よって所得の計算方法が変わるためです。

収入から所得を算出する

給与収入や年金収入は決められた計算式に当てはめて所得を算出します。

そのほかの収入は、基本的には経費を除いた分が所得となります。

一時所得は、収入-経費-50万円(特別控除)÷2で、計算すべき所得を算出できます。

所得控除を算出する

支払った控除や扶養等の控除を計算します。

前述した所得控除の表が参考となります。

課税所得金額を算出する

所得金額から所得控除を引いて、1,000円未満を切り捨てたものが課税所得金額です。

(例)
所得1,111,111円-所得控除430,000円=681,111円
→681,000円(千円未満切り捨て)

※課税所得金額は課税標準額とも呼びます

所得割額を算出する

課税所得金額に税率を乗じて所得割額を算出します。
所得割は、市区町村民税と道府県民税に分けて計算します。

税率は以下のとおりです。
市区町村民税:6%
都道府県民税:4%

(例)
課税所得金額:681,000円
市区町村民税:681,000円×6%=40,860円
都道府県民税:681,000円×4%=27,240円

税額控除を算出する

寄附金控除や調整控除などの税額控除を算出します。

調整控除以外の控除は、支払いがあった時にその控除を算入することになります。

調整控除は、所得税と住民税の控除額の差を埋めるための控除です。
算出方法は次の記事に記載していますので、確認したい方はご覧ください。
住民税の調整控除とは?計算方法を解説!

所得割額(税額控除後)を算出する

先ほど求めた所得割から税額控除を引いて、100円未満を切り捨てます。

(例)
市区町村民税所得割40,860円-税額控除1,500円=39,360円
→39,300円(百円未満切り捨て)
都道府県民税所得割27,240円-税額控除1,000円=26,240円
→26,200円(百円未満切り捨て)

均等割額を加算する

均等割額は、一定の所得を超えていると一律に課税されるもので、税額は以下のとおりです。

市区町村民税:3,000円
都道府県民税:1,000円

平成26年度~令和5年度までは以下の税額でした。
市区町村民税:3,500円
都道府県民税:1,500円
※合計で1,000円安くなっていますが、森林環境税が新たに課税されていることで負担は変わっていない状況です。
所得割額と均等割額を合計すると住民税が求められます。
(例)
・市区町村民税
所得割額(税額控除後)39,300円+3,000円=42,300円
・都道府県民税
所得割額(税額控除後)26,200円+1,000円=27,200円
〇合計
42,300円+27,200円=69,500円
※69,500円が年間の住民税額となります。

まとめ:住民税はどうやって決まるのか

住民税は、1月1日に住んでいる市区町村で課税され、前年の1年間の収入や控除によって決まります。
扶養控除等は前年の12月31日時点で判定を行うことになります。

これらの情報をもとに住民税の計算が行われます。
住民税の計算は下記のとおり進めていきます。

1.収入を確認する
2.収入から所得を算出する
3.所得控除を算出する
4.課税所得金額を算出する
5.所得割額を算出する
6.税額控除を算出する
7.所得割額(税額控除後)を算出する
8.均等割額を加算する

これらの条件と計算によって住民税が決まります。

住民税
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