「入院した費用を医療費控除で申請できるって聞いたけど、病院に支払った分すべてが対象になるの?」
入院をすると多額費用がかかりますので、少しでも取り戻したいですよね?
この記事では、入院時にかかる費用の中で、医療費控除の対象になるもの、また、対象とならないものについて解説します。
入院時の費用で医療費控除の対象となるもの
入院時に病院に支払った費用はすべて医療費控除の対象になるわけではありません。
まずは、医療費控除の対象になるものを確認していきましょう。
診療代・医薬品代
入院時に負担する診療代や医薬品代は医療費控除の対象となります。
入院時の食事代
病院に対して支払う食事代は、入院費用の一部と考えられるため、医療費控除の対象となります。
・コンビニ等で購入した食事
・出前を取って購入した食事
・おやつ代 など
病院に支払うクリーニング代
病院が用意したシーツや枕カバーなどのクリーニング代は、医療費控除の対象となります。
病院都合の差額ベッド代
一般的な病室が空いてないなどの理由で、病院側が個室を用意した場合の差額ベッド代は医療費控除の対象となります。
付添料
入院時に家族が付き添えなかった場合に、家政婦等に付き添ってもらった場合の付添料は、医療費控除の対象となります。
付添人の食事代
付添人の食事代は、付き添いの対価の一部として支払っているものであれば、医療費控除の対象となります。
入院時の費用で医療費控除の対象とならないもの
洗面具等の購入費用
洗面具などの身の回りのものの購入費用は、医療費控除の対象とはなりません。
入院には必要なものですが、医師等の診療を受けるために直接必要なものに当たりませんので、医療費控除の対象とはなりません。
寝具等の購入費用
寝具などの身の回りのものの購入費用は、医療費控除の対象となりません。
入院には必要なものですが、医師等の診療を受けるために直接必要なものに当たりませんので、医療費控除の対象とはなりません。
自分の寝巻き等のクリーニング代
自分で用意したパジャマや寝巻きなどのクリーニング代は、医療費控除の対象とはなりません。
医師等の診療を受けるために直接必要なものに当たりませんので、医療費控除の対象とはなりません。
テレビ・冷蔵庫の賃借料
入院生活に必須ともいえるテレビ、冷蔵庫についても医療費控除の対象とはなりません。
医師等の診療を受けるために直接必要なものに当たらないことから、医療費控除の対象とはなりません。
日常生活で使用しているものを医療費控除の対象にしてしまうと、入院していない人との不公平感も生まれるため、医療費控除の対象になっていないものと思われます。
自己都合の差額ベッド代
「大部屋は落ち着かないから個室にしたい」などの自己都合な理由で支払う差額ベッド代は、医療費控除の対象とはなりません。
医師等の判断がなければ、診療を受けるうえでは、大部屋でも個室でも何ら変わりはありません。
基本的に、自身の判断で費用が増えるものは医療費控除の対象とはなりません。
医師や看護師への謝礼
入院している間に、とてもお世話になったからといって謝礼をしても、医療費控除の対象とはなりません。
診療を受けるうえでは必要のない行為となるからです。
親族への付添料
家政婦等への付添料の支払いは医療費控除の対象となりますが、親族への付添料は医療費控除の対象とはなりません。
付添人への心付け
家政婦等への付添人への心付けは、付添いの対価の一部とは認められませんので、医療費控除の対象とはなりません。
補てんされる金額について
入院をすると医療費が多額になることが多いと思います。
また、急な疾病や入院に備え、生命保険の加入をしている方も多く、特に、入院した場合に生命保険から保険金が出る契約を結んでいるという方が多いと思います。
そのほかにも、生命保険の保険金とは別に、医療費が多額になるとご加入の健康保険から、高額療養費として還付金が出る場合があります。
これらの保険金や還付金については、医療費控除を申告する上で、入院費から差し引かなければなりません。
具体的な記入方法は下記のとおり、「(5)(4)のうち生命保険や社会保険などで補てんされる金額」に補填される金額を記載します。
○○病院 入院 入院費50,000円 補てんされる金額80,000円
△△病院 入院 入院費60,000円 補てんされる金額30,000円
※補填される金額はその治療(入院)にかかった分を限度として差し引きますので、1行目は、○○病院で支払った50,000円を限度に補填される金額を記載します。
よって、補填される金額は80,000円ではなく、50,000円となります。
まとめ
病院の領収書の金額(合計額)そのまま医療費控除として記載してしまうと、対象外のものが入ってしまうかもしれません。
基本的に対象外のものは、領収書の「保険適用外」の中に記載されていますので、よく確認して医療費控除の申告を行いましょう。
医療費控除の対象額はいくらから?どれだけ税金が安くなる?
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